イギリスのEU離脱。イギリスが交渉打ち切りを宣言、今年中の合意は事実上不可能に。

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_114936818_johnson前回の投稿「イギリスのEU離脱。コロナと合意なき離脱でヨーロッパ経済は壊滅するかで、イギリスのジョンソン首相は、世界経済の混乱に乗じて一気に世界経済支配を狙う勢力に騙されて、破滅の道を歩んでいるのかもしれないと分析しましたが、イギリスは合意なき離脱への道を突き進んでいるようです。

 

イギリスのジョンソン首相は、1016日のEU首脳会議を交渉の期限としていましたが、英首相官邸は同日、「交渉は終わった」と強気の姿勢を示し、ジョンソン首相は16日朝の会見で、ブレグジットの移行期間の終わる来年からは、通商協定がないままEUと貿易する「準備」が必要だと話しました。

EUのバルニエ首席交渉官は電話協議で、ジョンソン首相の意向で停止した正式交渉の再開を狙いましたが、これに対し英国は、交渉を再開する根拠が依然ないとはねつけたそうです。

各国の協定批准手続き日程から逆算すると、12月末までの移行期間(離脱前の状態が維持される期間)終了前の包括的な通商協定の締結が事実上不可能となりました。残された可能性は離脱による双方の混乱を避けるために、航空など個別分野で部分的な合意に向けた交渉を継続することです。

このような状況になってもマスコミの殆どはEUが妥協しイギリスの主張が通れば合意の可能性もゼロではなく、最終的に合意に至ると予測しています。しかし、コロナウイルスの第二波の拡大、アメリカ大統領選挙の大混乱の予兆など、世界情勢を俯瞰してみると11月から年末にかけて様々な問題が重なってきています。イギリスの合意なき離脱も含めて、世界経済支配を狙う勢力に仕組まれている可能性が高そうです。

 

EUがイギリスに法的手続きを開始 離脱協定の変更法案めぐり2020102

欧州連合(EU)は1日、イギリスが離脱協定の一部を変更する法案を撤回しなかったことを受け、同国に対する司法手続きを始めるとする「正式な通告書」を発表した。この通告書により、EUはイギリスと欧州司法裁判所(ECJ)で争う可能性もある。

EUとの通商協定の交渉期限が迫る中、ジョンソン政権は通商交渉が破綻(はたん)した場合に北アイルランドを含めたイギリスの国内市場を守るためとして、国内市場法案を提出した。この内容が離脱協定を部分的に変更するものとなっている。離脱協定は1月末にイギリスがEUを離脱した時点で、国際法となっている。英閣僚は下院で、「特定的で限定的な」国際法違反の可能性を認めたものの、英議会は審議を進め、法案はすでに下院を通過している。

国内市場法案は、イギリスが来年11日にEUの単一市場と経済通貨同盟を離脱した後、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの間でモノとサービスの自由な流通を確保するためのもの。離脱協定に含まれる北アイルランド議定書では、イギリスの一部の北アイルランドと、EU加盟国アイルランドとの陸続きの国境に、厳密な通関検査を復活させないことが明記されており、現在その方法について通商交渉が進められている。

しかし国内市場法案には以下のような内容が含まれている。北アイルランドと残りの地域の間のモノの移動で検査を行わない。イギリスとEUが通商協定に合意できない場合、来年11日から国内の閣僚に、モノの移動についてのルールの変更あるいは「不適用」を決める権限を与える

■イギリスとEUの首脳、通商協定の重要性で一致 交渉継続2020104

イギリスのボリス・ジョンソン首相と欧州連合(EU)のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は3日、電話で協議した。英首相官邸は、両者がブレグジット(イギリスのEU離脱)後の通商協定の「重要性をめぐって一致した」と発表した。英政府によると、EUとの協議は前進した。しかしまだ「大きな隔たり」が残っているという。

■イギリス政府、EUとの通商交渉は「終わった」とけん制20201017

ボリス・ジョンソン首相はかねて、16日のEU首脳会議を交渉の期限としていたが、英首相官邸は同日、「交渉は終わった」と強気の姿勢を示した。

イギリスとEUは現在、ブレグジット(イギリスのEU離脱)後の通商協定について協議を進めているが、漁業権や企業に対する政府補助金といった主要問題で溝が埋まっていない。ジョンソン首相は16日朝の会見で、ブレグジットの移行期間の終わる来年からは、通商協定がないままEUと貿易する「準備」が必要だと話した。

イギリスとEUは、ブレグジットの移行期間が終わる12月末までに、「ゼロ関税」の貿易協定を結ぶことを目指している。合意に至らなかった場合、両者間の貿易は世界貿易機関(WTO)のルールに基づくことになり、つまりは通商は関税対象になる。

16日のEUサミット終了後、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、イギリスとEUには通商協定があることが望ましく、双方が譲歩すべきだとの見解を示した。エマニュエル・マクロン仏大統領は、ブレグジット協定を必要としているのはEUよりもイギリスの方だと話している。

■英はEUとの通商合意をなお望む、扉「開かれている」-ゴーブ国務相20201019日

ゴーブ氏は18日インタビューで「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えているが、そのためには両サイドが納得することが必要だ」と指摘。取り得る選択肢が「われわれの意志が尊重されない形での取引を受け入れる」ないし、合意なしで離脱するかのどちらかというのであれば、「われわれは主導権を取り戻す必要がある」と述べた。

■英・EU包括的通商協定今年中の合意は事実上不可能に20201020

各国の協定批准手続き日程から逆算すると12月末までの移行期間(離脱前の状態が維持される期間)終了前の包括的な通商協定の締結が事実上不可能となりましたが、離脱による双方の混乱を避けるために、航空など個別分野で部分的な合意に向けた交渉が継続される模様です。ジョンソン政権の支持率は低下しており交渉継続の意思表示は国内世論を受けての消極的なものであるとの見方もあります。

包括的な通商協定締結が難航する争点の一つとして漁業があげられます。豊富な水産資源を持つ英国領海では、EU各国の水産業者が漁を行っており、その2/3が英国外の業者と言われています。フランスを始め対岸国のスペインやポルトガルは、交渉決裂で漁場を失うことを危惧している模様です。

■英・EU通商交渉責任者が前日に続き電話協議へ、正式交渉再開目指す20201020日

EUのバルニエ首席交渉官は、前日の英国交渉責任者のフロスト氏との協議後、集中的に作業に取り組み、通商協定の法的文書作成に着手する用意がEUにあると表明。ジョンソン英首相の意向で停止した正式交渉の再開を狙った。これに対し英国は、交渉を再開する根拠が依然ないとはねつけた。

■コロナ第2波襲来のイギリス、世代間対立がさらに鮮明に。「合意なきEU離脱」でいいのか?20201021日

EU1015日から2日間、首脳会議(サミット)を開催した。今年1月末にEUから離脱したイギリスのジョンソン首相は、この日までにEUとの間で新たな通商協定を締結すると一方的に主張、それが適わない限りはEU離脱に伴う「移行期間」を年内で打ち切ると宣言していた。

移行期間を打ち切った場合、これまでEUとの間で行われていた貿易取引を、世界貿易機関(WTO)で定められた一般的なルールで行う必要に迫られる。これまで必要なかった通関でのチェックが必要となるし、また関税を課す必要にも迫られる。これはEUに対する圧力でもあり、同時に国内の支持者層、具体的にはイギリスのEU離脱を支持した保守派や高齢層に対するアピールでもあった。

コロナ禍でイギリス経済もまた厳しい状況に置かれているが、特に足元ではミレニアル世代以下で雇用情勢の悪化が深刻だ。すでにコロナ禍では5万人以上の雇用が失われているが、そのほとんどが24歳以下の若者や49歳以下の働き盛りである。またこの異常な状況で、本来なら労働市場に入るはずの新社会人が苦境に立っている。コロナショックに伴う雇用悪化のしわ寄せを受けているのも、ミレニアル世代以下というわけだ。

結局のところ、イギリスとEU11月まで通商協議を延長することになりそうだ。そうなると、交渉はどのような形でまとまるのだろうか。究極のところ、それは移行期間の実質的な延長でしかないといっていいだろう。