スペインのカタルーニャ独立問題(前国王が国外逃亡、スペイン軍は軍事蜂起も検討)

「金貸しは、国家を相手に金を貸す」さんからの情報です。


 

d_13036091コロナによる経済崩壊、大統領選挙によるアメリカ分裂の危機、イギリスのEU離脱、世界は今大きく動こうとしています。このような世界情勢を受けてスペインのカタルーニャ独立問題の進展を調べてみました。独立派の動きは報道規制されているのか、あまり見つけられませんでしたが、スペインの分裂を懸念する軍部の軍事蜂起の計画が明るみに出るなど、国家の統合が大きく揺らいでいることは間違いない様です。

まず、カタルーニャ独立を宣言し反逆罪に問われて国外逃亡したカタルーニャ前州知事、プチデモン氏のその後の状況ですが、国外にいながら2019年5月のEU議会選挙で当選しました。反独立派のスペインEU議員から反対され正式に就任するまで半年かかりましたが、2020年1月にはEU議員に就任し、独立運動を続けています。

一方で、スペイン政府の状況です。2019年に総選挙が行われましたが半年にわたって、政権が樹立できない状況が続いていました。しかし2020年1月、サンチェス氏は独立派であるカタルーニャ共和主義左翼党の支援も受けて、何とか政権を樹立、首相に就任します。そして2月にはスペイン政府とカタルーニャ州で独立に関する協議が月1回定期的に行われることが決まります。

ここから、コロナが蔓延し始めたこともあり、カタルーニャ独立に関する情報は殆ど報道されなくなります。そして、2020年9月に前国王フアンカルロス1世が不正会計疑惑で国外逃亡したあたりから、反独立派の動きが活発になります。同じ9月に現カタルーニャ州知事(独立派)が過去の独立運動で告訴されていた裁判の結果が出て有罪となり、カタルーニャ州知事を解任されます。そして、海外で活動するプチデモン前州知事を横領罪で捜査しているという報道や、EU議員を解任できる法改正の動きなど、独立派を抑え込む動きが相次ぎます。

そのような状況の中で明らかになったのが、軍部による蜂起の計画。スペイン軍のドミンゲス中佐が、12月2日にラジオに出演して、今年3月に国王の支持を得て軍事蜂起をする可能性について検討していた、ということを明らかにしています。また、12月に、空軍と陸軍の退役将校73人が現国王フェリペ6世に宛てて、現在のスペインの統一が崩れる可能性のあることを懸念して国家の安全と憲法を擁護すべく必要とあらば命を捧げる容易があるという内容の書簡を送ったことが明らかになりました。

軍は、現政府が過半数の議席を満たしておらず、その主人公である社会労働党は共産主義政党(ポデーモス)と連立して政府を擁立させた上に、カタルーニャの独立支持政党とバスクのテロリスト政党からの支援を得ており、このままでは国家が分裂すると言う危機感を強く持っているのです。

スペインでは、フアンカルロス1世の祖父アルフォンソ13世が共和制の樹立をで国外に亡命し、この間スペイン内戦が勃発し、その結果フランコ元帥が独裁政治を行うこととなりました。また、フアンカルロス1世即位後、新憲法を制定し、スペインを民主的な立憲君主制の国に移行させたときにも、軍事クーデターが起きました。2月14日はカタルーニャ州議会選挙が予定されており、その結果が注目されます。今のスペインはアルフォンソ13世の亡命後のように国論が割れ、最悪の場合、スペイン内戦の再来を招きかねない状況のようです。

 

■プチデモン氏の出馬認める スペイン、欧州議会選で2019年5月6日

スペインの行政裁判所は6日、北東部カタルーニャ自治州のプチデモン前首相らによる5月の欧州連合(EU)欧州議会選への立候補を選管当局が却下した決定について、異議申し立てを受け、出馬を認めると判断した。

■欧州議会、プチデモン氏らの議員証交付拒否2019年6月3日

欧州議会が、スペイン北東部カタルーニャ自治州のプチデモン前首相とコミン前保健相の同議会への入会を拒否したもようだ。両者は先の欧州議会選で議席を獲得したが、同国の他の3政党が欧州議会に対し仮議員証を交付しないよう求めたため。

■カタルーニャ独立を巡り大規模デモ再発のバルセロナ2019年11月28日

スペイン最高裁は10月14日、2017年10月に同国北東部カタルーニャ自治州の独立を問う住民投票を強行した政治家ら9人に対し、反乱罪などで懲役9~13年の有罪判決を下した。これを受けて同日、州都バルセロナの独立派市民約8000人が空港周辺を占拠し、警察と衝突。負傷者は70人を超え、欠航便も相次いだ。

その後、日中は抗議活動や100万人規模のデモが連日、平和的に行われてきたが、夜になると過激派市民が暴徒化。警察に火炎瓶や石を投げたり、大型のゴミコンテナを燃やしたりするなど、町全体が炎に包まれた。地元メディアによると、負傷者は約700人、逮捕者は約200人に上った。

■プッチダモンに欧州議員証発行2019年12月21日

12月19日、欧州司法裁判所はジュンケラス元カタルーニャ州副首相が欧州議員として不逮捕特権があるとの判決を行った。これは、今年5月の欧州議会議員選挙に獄中立候補したジュンケラスが当選したにもかかわらず、獄中に拘束されていることは議員不逮捕特権が侵害されており、ヨーロッパ市民としての政治的権利が侵害されていると判断したものである。しかし、ジュンケラスについてはスペイン最高裁が13年の禁固刑判決を下しているので、欧州議員として活動できるかは最高裁の判断に委ねられる。

他方この判決に連動して、プッチダモン、コーミンの亡命組は欧州議員として認定を受けることになり、スペインを含めてEU内を自由に動けることとなった。

12月20日、プッチダモンとコーミンに臨時の欧州議員証が発行された。スペイン政府は、プッチダモンたちの欧州議員認定に反対しており、スペイン最高裁も欧州逮捕状を取り消していないことから、予断は許されない。

■スペイン首相再任の公算 カタルーニャ州政党と合意2020年1月3日

カタルーニャ共和主義左翼党(ERC)は、新政権がカタルーニャ州の独立問題の民主的解決に向けた協議を州側と行うことなどで、サンチェス氏率いる穏健左派、社会労働党(PSOE)と合意し、棄権に応じた。下院の信任投票は最初の投票で過半数が得られない場合、再投票が行われ、賛成が反対を上回れば可決となる。新政権発足への道が開け、昨年4月の総選挙から続いた正式政府不在の状況がようやく解消される公算が大きくなった。

■EU議員不逮捕特権の停止求める/プチデモン氏巡りスペイン当局2020年1月11日

スペイン司法当局は10日、昨年5月の欧州連合(EU)欧州議会選で当選したカタルーニャ自治州のプチデモン前首相と前州閣僚の計2人について、欧州議会議員としての不逮捕特権を停止するよう同議会に求める文書を送った。

EU司法裁判所は昨年12月、スペイン最高裁が同10月に実刑判決を言い渡したジュンケラス前州副首相について、欧州議会議員当選により不逮捕特権が生じたと判断。ベルギーへ出国したプチデモン氏らはこの判断を受け、議員の暫定証書を受け取った。

■カタルーニャ自決権を主張 プチデモン氏、EU議員就任で2020年1月15日

スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立派プチデモン前州首相は、欧州連合(EU)欧州議会議員就任で再び政治活動が可能になったとして、住民投票による自決権行使を通じた独立問題解決を改めて訴える考えを示した。

プチデモン氏は17年に独立を問う住民投票を強行後、スペイン当局の訴追を逃れてベルギーへ出国、昨年5月の欧州議会選で当選した。スペイン当局は議員就任を認めなかったが、EU司法裁判所が昨年12月に認める判断を出し、今月13日、議会本会議に初出席した。

■政府とカタルーニャ州が対話開始 スペイン、独立問題巡り2020年2月27日

今後、毎月協議を行うことで合意したが、住民投票の公式実施を求める独立派が率いる州政府との立場の違いは大きく、解決の筋道を見いだすのは容易ではない。初回の協議は首都マドリードの首相府で行われ、サンチェス首相とトラ州首相も出席した。

■メルケル首相はスペインが基本的権利を侵害していることを憂慮すべきある2020年7月19日

プチデモン欧州議会議員(亡命名誉首相)は、ドイツのアンゲラ・メルケル新EU議長国首相に対し、スペインのように基本的権利が侵害されている国に法の支配の尊重を要求するよう呼びかけた。首相の答弁は、法の支配を尊重しなければならないとし、ハンガリーの状況を懸念しているというものだった。スペインのことは一言も言わなかった。

国連の恣意的抑留に関する作業部会は、スペインがカタルーニャの政治犯を釈放すべきだと決定した。彼らがしたことは、市民的不服従を使って平和的に抗議する権利を行使しただけだからだ。アムネスティ・インターナショナルは、投獄された2人の市民団体の指導者の釈放を特に求めている。

■スペイン前国王がUAEに逃亡 サウジから不正に資金2020年9月9日

2020年8月3日、スペインの前国王フアンカルロス1世が、国外へ退去した。理由は、サウジアラビア国王からの1億ドルの資金の支払いを、前国王が受益者になっているパナマ籍の財団が受け取ったことが、不当なコミッションの受領に当たらないか、スペインの最高検察庁が捜査を開始したためである。捜査結果次第では、前国王が起訴される可能性がある。

フアンカルロス1世は、独裁者フランコ元帥に後継者として指名されて、フランコ元帥の死後、スペイン国王として即位した。即位後フランコ元帥の遺志に従わず、新憲法を制定し、スペインを民主的な立憲君主制の国に移行させた。

新憲法制定後、軍事クーデターが起きたとき、フアンカルロス1世は民主体制の維持を軍の波乱分子に呼びかけ、クーデターを収めた。こうしたことから国の内外で名君との評判が高まった。しかし齢を重ねるにつれ名君の誉れを傷つけるような行動を取るようになった。

スペインでは、王制の維持について国民のコンセンサスがあるとは言えない。外国から来た王様の起こした外国での戦争のために豊かなスペインの富を費消され、国が貧しくなった。

フアンカルロス1世の祖父アルフォンソ13世も、スペインが共和制の樹立を決めたため国外に亡命した。アルフォンソ13世の亡命後、フアンカルロス1世の即位まで、スペインには国王が不在で、この間スペイン内戦が勃発し、その結果フランコ元帥が独裁政治を行うこととなった。

左翼政党Podemosの党首は、フアンカルロス1世の国外退去を恥ずべき国外逃亡と非難し、王制見直しの議論を本格的に行う構えを示した。またスペインからの独立を希望しているカタルーニャ州議会は、王制を否定しカタルーニャ共和国を樹立するとの議決を行った。

フアンカルロス1世が国内にとどまり起訴され裁判にかけられ有罪にでもなれば、カタルーニャ州の独立の動きに拍車ががかかるだけでなく、アルフォンソ13世の亡命後のように国論が割れ、最悪の場合、スペイン内戦の再来を招きかねない可能性があった。

■カタルーニャ州首相失職 選管命令不服従で最高裁2020年9月29日

スペイン最高裁は28日、北東部カタルーニャ自治州の独立運動を巡り、州高裁で昨年、不服従の罪で公職追放1年6月などの有罪判決を言い渡されていた独立派のトラ州首相の上訴を退けた。判決は確定し、トラ氏は失職。トラ氏は昨年4月のスペイン総選挙の前に、独立派の主張を訴えた横断幕を州政府庁舎から撤去するよう求めた中央選挙管理委員会の命令に従わなかったとして刑事責任を問われた。

■カタルーニャ前首相、ビットコインを利用しベルギーへ逃亡2020年11月5日

スペイン警察はカタルーニャ自治州のカルレス・プチデモン前首相に対する公的資金横領容疑について調査しているが、同前首相がベルギーへ逃れる際にビットコイン(BTC)を利用した可能性を示す証拠を発見した。

■欧州議会委員会が欧州逮捕状取扱い要綱改正-プッチダモンらの身柄引き渡しを念頭2020年12月2日

12月1日、欧州議会の市民的自由・正義および内政委員会は欧州逮捕状の取扱い要領改正案を賛成多数で可決した。EU加盟国が自動的に身柄引き渡しを行う容疑として、反逆罪、環境破壊罪、ジェンダー差別罪などをリストに加えるというものである。改正案を提案したのはスペイン右派政党PPであり、プッチダモンらの引き渡しを念頭に置いたものであることは明らかだった。委員会は、この改正案を欧州委員会に送付し、欧州委員会が改正するかについて検討することとなった。

■スペイン、軍人の間で密かに計画されていた軍事蜂起。極右政党VOXの影も2020年12月15日

12月に、空軍と陸軍の退役将校73人がフェリペ6世に宛てて、現在のスペインの統一が崩れる可能性のあることを彼らは懸念して国家の安全と憲法を擁護すべく必要とあらば命を捧げる容易があるという内容の書簡を送ったことが明らかになったのである。

現政府は過半数の議席を満たしておらず、その主人公である社会労働党は共産主義政党(ポデーモス)と連立して政府を擁立させた上に、カタルーニャの独立支持政党とバスクのテロリスト政党からの支援を得ている。更に、彼らが発信したチャットで、2600万人を射殺する必要があるというコメントさえ見つかったという。このチャットにも参加していたホセ・イグナシオ・ドミンゲス中佐が、12月2日にラジオに出演して、今年3月に国王の支持を得て軍事蜂起をする可能性について検討していた、ということを明らかにしている。

人がこのような行動に出たのには次のような背景がある。最近のサンチェス首相による連立政権は、法案を議会で可決させるのにカタルーニャの独立支持派政党やバスクのテロリストが解散した後に設立させた政党らの票をあてにして過半数の票を確保して法案を議会で通過させるというやり方を取ることが少なくない。このことへの不満が大きな要因となっているのである。

また、実はこの動きは、躍進している極右政党Voxが軍部の影響を強く反映させた政党であることも起因している。軍部、すなわちVoxにとって、ポデーモスという左派政党が政府の舵を次第に握って行く姿は受け入れることができない。ということで今回、軍人が動き出したというわけである。

■ノーベル賞受賞者たちがカタルーニャ政治犯の釈放・恩赦を求める声明2021年1月5日

1月4日、世界著名50人がカタルーニャ政治犯の釈放と恩赦を求める声明を発表した。声明に署名したのは、ジルマ・ルセフ前ブラジル大統領、ジョディ・ウィリアムズら5人のノーベル賞受賞者、オノ・ヨーコ、ジョーン・バエズ、艾 未未たち多士済々である。

扇動罪改正あるいは恩赦法改正を検討することになったスペイン政府に対して、最高検はカタルーニャ政治犯への適用に反対することを明らかにした。その根拠は、政治犯たちが反省していない、というものである。

12月30日、スペイン保健相であるサルバドール・イリャ(カタルーニャ社会党)が保健相を辞職して、2月14日に行われるカタルーニャ選挙に立候補することを発表した。候補者名簿第一位として、当選すればカタルーニャ州知事に就任するという。「住民の半数ではなく、すべての住民を代表する政治を」とする訴えは、独立派が多数となっているカタルーニャをスペイン国家に引き戻すことを狙ったものである。

■コロナ対応の保健相辞任へ=地方選出馬、「責任放棄」と批判―スペイン2021年1月26日

https://www.excite.co.jp/news/article/Jiji_20210126X068/

スペイン政府は25日、新型コロナウイルス対策で陣頭指揮を執ってきたイジャ保健相が、26日に辞任すると明らかにした。パイス紙(電子版)が報じた。2月14日に予定されている北東部カタルーニャ自治州議会選に出馬するためだという。サンチェス首相の与党・社会労働党と連立を組む急進左派ポデモスの報道官は「このような困難な時期に自分の責任を放棄すべきでない」と批判した。