NATO、コーカサスのエネルギー地政学と紛争

Finian Cunningham
2020年10月14日
Strategic Culture Foundation

 古い諺の通り、地政学の出来事は、無邪気な偶然の一致ということはまれだ。最近の、いくつかの大混乱を見よう。まず、ロシアからのノルド・ストリーム2ガスパイプラインを破棄させるドイツとヨーロッパに対する圧力の再開があるが、奇妙なナワリヌイ事件と彼の毒殺計画とされるものが、この戦略的エネルギー貿易の未曾有の後退に対する便利な隠れ蓑になっている。

 更に、係争中のナゴルノ・カラバフ飛び領土を巡るアルメニアとアゼルバイジャン間の武力紛争が復活している。

 この全てにおいて、鍵となる要因は、ロシアの南部周囲沿いのコーカサスと中央アジアで、アメリカが主導する軍事同盟の加盟国を拡大しようとするNATO長期計画だ。

 政治評論家リック・ロゾフは、ナゴルノ・カラバフ紛争の再発は、アゼルバイジャンをNATOメンバーに引き入れるというトルコの長年の狙いと完全に一致していると言っている。アンカラは、それにより、ナゴルノ・カラバフ論争で、アルメニア分離主義者から、歴史的領土返還を要求するアゼルバイジャンに有利な解決を強制しようとしているのだと彼は言う。

 NATOにとって、アゼルバイジャンを連合吸収で前進するには、アゼルバイジャンとアルメニア間で長く続いている凍結した紛争を解決しなければならない。両国は、1988年-1994年に戦争し、以来、ずっと国境を巡り小競り合いをしている。アゼルバイジャンの指導者と後援者のトルコが、最近主権領土を取り戻すという言説を強化して、先月末、この紛争が再び突発した。

 これは、南オセチアやアブハジアや沿ドニエストル共和国などの他のソ連後に凍結されている紛争と類似しているとロゾフは言う。NATOはジョージアとモルドバを組み込つもりだが、そのためには、ジョージアとモルドバが、それぞれ分離した地域の支配を確立する必要がある。2008年の、ジョージアが南オセチアを攻撃したが、結局ロシア介入により撃退されただけに終わったジョージア・南オセチア間の短い戦争は、ジョージアを取り込もうとするNATOの野心に引き起こされたものだった。

 類似点は、現在、アゼルバイジャンは、NATO同盟が受容可能な国になるため、NATOメンバーのトルコに鼓舞されて、ナゴルノ・カラバフ問題を解決しようとしているということだ。トルコは長い間「次のNATOメンバー」として、アゼルバイジャンを支持している。アンカラが大いに軍事補給を増やしたのも、候補国アゼルバイジャンをNATO基準に引き上げるプロセスの一部だ。

 だがNATOの拡張主義は、単なる軍国主義のためのものではためではない。ロシアの急所の周囲で、アメリカ・ミサイル配備を更に増やすのは「大国のライバル関係」ゲームで望ましいのは確実だ。

 だが、より具体的で、同様に重要な戦略上の目的があり、それは、ロシアの(そしてイランの)ヨーロッパへのエネルギー供給を、南の代替ルートで置き換えることだ。カスピ海の石油とガスの富は、長い間探し求められてきた。ロシア領土を得る目的こそが、ヒトラーのドイツ国防軍が動いた要因だった。

 カスピ海横断ガス・パイプラインは、トルクメニスタンとカザフスタンから、アゼルバイジャンのハブ、バクーを通り、トルコに天然ガスを供給し、そこから中央ヨーロッパへの既存パイプライン・ネットワークへの接続を提案している。年間推定300億立方メートルのガス供給で、カスピ海パイプラインは、ノルド・ストリーム2プロジェクト(550億立方メートル)を代替する上で、大いに貢献できるかも知れない。ロシア人ブロガー、アレクセイ・ナワリヌイの中毒とされているものと様々なヨーロッパ指導者が彼を持ち上げているのは、ノルド・ストリーム2プロジェクト廃棄の道を開いているように思われる。

 ヨーロッパへのガス供給国としてのロシアの重要性に悪影響を及ぼす手段として、ワシントンとヨーロッパの太西洋対岸同盟諸国はカスピ海横断ガス・パイプライン完成を確実に歓迎するはずだ。

 その代替ルートの安全保障と政治的提携を確保するためには、NATOがアゼルバイジャン、トルクメニスタンとカザフスタンの重要な国との関係を強化するのは喫緊の課題のはずだ。この理由で、NATOは加盟国候補として、これらの国々に取り入るのに忙しいのだ。

 トルコがこれから得るものは、ヨーロッパとアジア間の急所として、コーカサスと、それを超えた地域における地政学的影響力の強化だ。大陸ヨーロッパへの燃料補給を推進することで、多額の通過料金も得られる。アンカラは、トルコ・ストリーム廊下を通して、ロシアのガスをヨーロッパにつなげて、既に、そのような立場を享受している。だが策略にたけたトルコ指導者エルドアンにとって、ロシアのノルド・ストリーム2攻撃は、南エネルギー回廊の総合能力を引き上げて、アンカラにとって、より多くの利益を意味する。

 トルコは、コーカサスで、特にロシアを引きずり込むような本格的戦争を望んでいる可能性は少ない。それ故、ナゴルノ・カラバフを巡るアルメニアとアゼルバイジャン間の平和協定を調停する最近のロシアの努力は、名目上のアンカラ支持を得ている。

 にもかかわらず、NATO拡大を、更にコーカサスや中央アジアに進めるより大きな戦略上の構図や、ロシアのヨーロッパへのエネルギーを、カスピ海の代替物に置き換えるという目的が、ナゴルノ・カラバフでの紛争再開が、長期的代理、低強度戦争になりかねないことを意味している。

 実際、政治評論家リック・ロゾフは、現在の戦争は、ジョージアや南オセチア、アブハジアや沿ドニエストル共和国で再開する紛争に合流すると予測している。そこでも、対ロシア優位を強化する方法を追求するNATO地政学と、ヨーロッパとの戦略的エネルギー貿易の占有は、同様に、大きな位置を占めるように見える.

 こられの国々はNATOの将棋の駒にならぬよう用心すべきだ。それは大きな代償を伴うのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/10/14/nato-energy-geopolitics-and-conflict-in-caucasus/

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 「大勲位」葬儀で、彼が弔辞を読む場面を大本営広報部番組で見てしまった。世界で一番頻度の高い地震の巣に原発を導入し、メルトダウンの原因を造り、新自由主義導入で、格差社会を推進し、国鉄解体で、労働者の力を弱め、宗主国の「不沈空母」として売国を推進した彼、スカ首相にとって最高のお手本。官邸の考えに従わない官僚は左遷させると人事で支配する番頭自身、宗主国に人事で支配されている。ポンペオ国務大臣にも、言うことを聞かないと、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領や、オーストラリアのゴフ・ホイットラム首相や、鳩山首相のようになるぞと言われたのかも知れない。それが記者会見も所信表明就任演説もせず、ポンペオ国務大臣の指示通り、中国包囲のための自由で開かれたインド太平洋政策の一環として、ベトナム、インドネシアをリクルートにでかけた理由?

 『竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』(講談社文庫)が刊行された。元はハードカバー。出版された時、すぐに購入、拝読した。時宜を得た再刊だ。うれしいことに、youtubeで著者佐々木実さんインタビューが見られる。約一時間。

徹底解剖:竹中平蔵がいかにして今のような考えになっているか?〜ゲスト企画
第13弾:佐々木実さんインタビュー〜

 竹中平蔵、益々格差社会を推進する。学術会議潰し、宗主国侵略戦争に役立つ学問しかさせないことが狙い。日本は、いま、宗主国侵略戦争の戦場、砲弾の餌食への入り口に立っている。学術会議自体が投降していては、未来はない。

 日刊ゲンダイDIGITAL

菅首相は学術会議抱き込み高笑いか…和解ムードの拍子抜け

 所信表明就任演説をしないのは、「格差社会と、宗主国侵略戦争参戦のための完全属国化を推進します。」というのを、どうやって耳に快く聞こえるようにするか案を練っているためなのだろうか。

 下記シンポジウムも興味深い。約一時間。

『i-新聞記者ドキュメント-』再上映特別シンポジウム Day1

 大本営広報部、全てが翼賛番組ではない。昨日だろうか、「コロナ災害下での外国籍の女性の労働問題」のドキュメンタリーを見た。IWJも同じ話題のインタビュー配信。

【録画配信・IWJ_YouTube Live】15:00~「女性と労働 ~コロナ災害のもとで働く現場はどうなっているの?~第1回 コロナ災害下での外国籍の女性の労働問題 ―登壇:ドアン・ティー・フォーン氏(国際人材サポート株式会社社長)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 9月27日に収録した、「女性の労働問題を考える小金井の会」主催の講座を録画配信します。これまでIWJが報じてきた労働問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%95%8f%e9%a1%8c