肩を並べてコロナ流行と戦う好機を逸した世界

2020年8月4日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 無責任な責任転嫁を止める時期だ。

 このエッセイを書いている中、世界では、1700万人以上のCovid-19の感染者が報告されており、676,000人が亡くなっている。本格的な研究に注力し、人命救助や、世界的大惨事災難を止めようと試みるのではなく、ホワイトハウスの「住民」は、彼ら自身の政治的生き残りと、政権の生き残りのために、全てのエネルギーを使っている。

 アメリカでは、体制側と反政府側の双方が、次々と変わりゆく陰謀理論でガヤガヤざわめいている。皆が叫んでいて、誰も聞いていない。

 Covid-19は危険なほど政治問題化されている。「自己保身」のため、ホワイトハウスは、コロナ流行の起源と対策について、執拗に中国のせいにしている。様々なアメリカ高官が、無責任に、北京を非難している。一部の連中は、武漢市の研究所の一つで、コロナ流行が作り出されたとまで主張している。いささか、漫画雑誌やホラー映画向きの「フランケンシュタイン理論」と似ているが、いかなる真面目な分析用のものではない。

 だが真面目な分析は、しばしば主流マスコミに無視される。真面目な分析は、興味を持っていて偏見のない人々には、取り上げられるが。

 テレグラフが2020年7月5日に、こう報じた。

「オックスフォード大学CEBM(エビデンスに基づく医療センター)教員のトム・ジェファーソン博士は、地球中で、多くのウイルスが潜伏していて、状態が好ましい時に、出現すると考えている。

コロナウイルスは、中国で始まったというより、世界中に潜伏していて、環境条件が繁栄に適切になった時に出現したのかもしれないと、このオックスフォード大学専門家は考えている。

オックスフォード大学CEBM(エビデンスに基づく医療センター)准教授で、ニューキャッスル大学客員教授のトム・ジェファーソン博士は、アジアに出現する前に、ウイルスは至る所にあった証拠が増大していると主張している。

先週、スペインのウィルス学者が、コロナウイルスが中国で発見される9カ月前、2019年3月に収集された下水サンプル中にコロナの痕跡があるのを見いだしたと発表した。

イタリアの科学者も、最初の症例が発見される何週間も前、12月中旬、ミラノとトリノの下水サンプルに、コロナウイルスの証拠を発見し、2019年11月にブラジルで専門家が痕跡を発見した。」

 コロナが中国で出現するずっと前に、ヨーロッパの数カ国が実際、新型コロナウイルスの症例で苦しんでいたように思われる。ヨーロッパ人は、単に彼らが「新型の、命を脅かす種類のインフルエンザ」に対処しているのを知らなかったのだ。あるいは、彼らは中国人医者や科学者がそうしたと同じぐらい速く、新たな世界的流行を検出し、特定する能力や自発的意志を持っていなかったのだ。

 2020年6月20日に、インデペンデント紙が正確にこの問題に対処した。

「新型コロナウイルス、Sars-Cov-2は、これ前考えられていたより早くからヨーロッパにあったのかもしれない。最近の研究が、早ければ2019年12月に、イタリアで蔓延していたことを示唆している。更に驚くべきことに、バルセロナ大学の研究者が、2019年3月12日付けの未処理下水サンプルを検査した際、ウイルスの痕跡を見いだした。

この研究はプレプリントサーバー、medRxivに最近発表された。この論文は、科学雑誌で出版する準備で、現在外部専門家による査読中だ。だが、この査読プロセスが完了するまで、この証拠は注意深く扱う必要がある。」

「それで、実験はどのように行われたのか、科学者は何を見いだしたのか?

Sars-Cov-2についての初期の研究結果の一つは、それが感染者の糞便に見いだされることだ。ウイルスが消化器官を通って進むので、胃腸症状を起こし得る。ウイルスはその外部タンパク質層を失うが、RNAと呼ばれる遺伝物質の破片は損なわれず残り、糞便に「排出される」。現在の証拠が示す限り、この時点で、それはもう伝染性ではない。」

 2020年5月、BBCが、いかなる「政治的な結論」も導かず、単純に報じた。

「12月27日に肺炎と推測され、実際パリ近くの病院で治療されていた患者はコロナウイルスにかかっていたと彼の医者が述べた。

これはウイルスが、これまで考えられていたより約一カ月早くヨーロッパに到着したかもしれないことを意味する。

イブ・コーエン博士は、当時採取された綿棒が最近検査され、Covid-19陽性だったと述べた。

回復した患者は外国旅行していなかったので、どこでウイルスに感染したか分からないと語った。

誰が最初の感染者だったか知ることは、ウイルスがどのように広がったかを理解する鍵だ。

世界保健機構(WHO)は、より早い症例が明らかになる可能性があると述べ、クリスチャン・リンドマイアー報道官が、この蔓延発生の、より明確な姿を明らかにするため類似の症例がないか記録をチェックするよう、各国に促した。

フランスは 後の検査が、より以前の症例を示す唯一の国ではない。二週間前、カリフォルニアで行われた検死が、アメリカ最初のコロナウイルス関連の死が、これまで考えられていたより一カ月以上前だったことを明らかにした。」

 これらは、三つの別個の報告に掲載された、たった三つの例だ。

 中国が実際はCovid-19が発生した国ではなく、新型コロナウイルスが最初に、決定的に特定され、対決され、かなりの程度打ち負かされた国だったことを示唆する益々多くの証拠がある。中国が少なくとも、しばらくの間、全く単独で、この危険な世界的流行に立ち向かい、以来、基本的に世界を変えるのに成功したことを考えると非常に驚くべきだ!

 だが、こうした全てが、一層事実であるように思えれば思えるほど、それだけワシントンからの騒音は益々うるさくなる。反中国プロパガンダは益々辛らつになる。

 それは明らかに、大惨事に対するアメリカ政府の対応の愚かさを隠蔽するために行われているのだ。もしアメリカのようなグロテスクな超資本主義国家体制が崩壊するなら、それを偽善的に共産主義者のせいにしろ、あるいは人種差別的になって、アジア人を侮辱し始めろ。あるいは、もし世俗的な敵を使い果たしたら、宇宙人のせいにしろ。

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 予想通り、トランプ大統領は科学界から大きな支持を享受していない。一部は公然と彼と代理をからかいさえする。他の人々は事実を提示して、彼と議論しようとしている。

 Covid-19関連のワシントンの反中国攻撃が2020年4月に強化された後、オーストラリア研究会議特別研究員、オーストラリア科学アカデミー特別研究員、ロンドンの英国学士院特別研究員のエドワード・ホームズ教授が、率直に語り、プロパガンダ理論に、科学的議論で論争することに決めた。

「人にCovid-19を起こすウイルスSARS CoV-2が中国武漢の研究所から始まったという証拠はない。

「SARS CoV-2のようなコロナウイルスは一般に野生生物種に見られ、しばしば新しい宿主に移動する。これはSARS-CoV-2起源の最もありそうな説明だ。」

 だが、ワシントンは残忍で執念深い。うそがばれたり、単純な、むしろ粗野な計画や仕組みが反対されたりすると、ワシントンは不釣り合いに、素早く報復する。それが、まさに世界保健機構(WHO)と、テドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局に起きたことだ。WHOは、トランプと彼のタカ派補佐官連中に「中国に余りに近い」と見なされ、それはこの時期・時代には、大「犯罪」だ! それに加えて、テドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏は、対決ではなく、グローバルな協力を奨励していた。だがアメリカは、もはや全く協力できない。アメリカは、命令の仕方しか知らないのだ。

 急速に、意地悪く、アメリカは、莫大な未払いの請求書を置き残し、コロナ流行のさなか、自身WHOから脱退した。これは、特に世界の最も貧しい部分で、何万人もの命を犠牲にする可能性が極めて高い。ワシントンは、そういうことは気にかけないのだ!

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 トランプや、ルビオ、バノン、ポンペオ、ナヴァロやアメリカ政府や支配体制の他の人々による、対中国攻撃は、全くばかばかしく、アメリカ国内でも、衛星諸国からさえも、年中、強く反ばくされている。

 ホワイトハウスの非難は、決まって、極めて低いレベルの談話に劣化する。

 上記のとおり、大統領自身を含めアメリカ当局者が、しばしばコロナ流行が、武漢の研究室の一つに源を発するか、生産さえされたと、ほのめかしている。

 このような中傷は、最近「Covid-19は、CIAフォート・デトリック研究室が源で、それを中国のせいにするため、武漢に持ち込まれた!」と宣言したピーター・デビッドソンのような人々による反撃に直面する:

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 またもやアメリカは、世界の他の国々に協力するのを拒否した。逆に、アメリカは、世界中を怯えさせ、何万という人間を殺し、何十億人もの生活を破壊しているコロナ流行に対して共同戦線を作る取り組みを駄目にしている。

 この気まぐれな、まだほとんど研究されていないウイルス勃発の初めから、私は直接、人々のあらゆる恐れや苛立ちを観察していた。アジア、北と南アメリカも、ヨーロッパも。私はCovid-19が、どのように全世界を停止させたか観察していた。この恐れは本物だ。コロナ流行の結果はひどく、窮乏や、失業や、空腹やホームレスさえおきている。

 新しい病気のこのひどい攻撃は、我々の文明社会が団結し、我々が人間として協力することが可能なのを示し、全員の生き残りのために戦い、この恐ろしい敵を打ち壊す機会だった。人種、国籍や文化にかかわらず、我々全員が一緒に並んで。

 機会は失われた。結果は、苦しみだけではない。結果は何億人もの新たな貧者だ。

 中国は実際、Covid-19に対する世界同盟を作り出そうとした、ロシアもそうした。いつもの通りキューバも。何百という重量貨物輸送機が、世界のあらゆる場所の人々の緊急需要を助けるため、モスクワや北京やハバナから出発した。手が差し延べられた。

 我々全員、これら努力がどのように終わったか知っている。ワシントンからの侮辱と未曾有のプロパガンダだ。心からの「ありがとう!」皆無だ。一言もない。それから、中国から多数の国々向けの対外援助さえ、文字通り駐機場から、アメリカ政府に盗まれた。

  通商停止や制裁で、最も苦しんでいて、Covid-19に対処するために資源を必要としている国々、イランやベネズエラなどのは、一層、加虐的に、恥知らずに扱われた。

 これは良い世界には見えない。「地球上の最強の国」は、良いリーダーのようには見えない。実際、それは全く、リーダーには見えない。そして、世界に対するこの態度ゆえに、それは二度と再び世界を率いるのを許されるべきではない。

 Covid-19は無数の生命を奪った。だが、少なくともコロナは、各国の実態や、大企業支配と帝国主義の壊疽性の本質を明らかにしたのだ。

 中国、ロシア、キューバ、ベトナム、ベネズエラ、イランや他の国々が、人命のために戦う中、ワシントンは自身の不穏当な目的で世界の現状を維持すべく苦闘している。ワシントンは世界を救ったり、改善したりする気はない。ワシントンは世界支配を望んでいる。そして、ワシントンは世界を所有しようと望んでいる。他に何もない。以上、終わり。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China’s Belt and Road Initiative: Connecting Countries Saving Millions of Livesを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/08/04/our-planet-missed-opportunity-to-fight-side-by-side-against-the-pandemic/

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 翻訳記事『マスクは有効か』に対して、「それよりも、ウイルスそのものに関する記事を翻訳しては?」というコメントをいただいた。その種の記事をご自分で翻訳・公開された際は、ご連絡いただけば、リンクを紹介するのはやぶさかではない。注文を受け、商売で翻訳しているわけではなく、ご希望に沿える可能性はない。あしからず。

 典型的な売国傀儡の記事を読んだ。人間というより鬼の顔に見えてくる。押しつけた宗主国基地からコロナが漏れだしているのに、GO TOトラブルで、挟み打ちしておいて、それはない。

 LITERA

菅官房長官がコロナでも沖縄県イジメで非難が殺到! GoTo強行で感染拡大・ホテル不足なのに「沖縄県がホテルを確保してない」

 レバノンで巨大なキノコ雲のあとの8月6日。広島に関する翻訳記事の一部をまとめておこう。

広島原爆投下に関するアメリカの残酷な論理は70年続いている

悲しき原爆記念日

広島と長崎: 第二次世界大戦時の原爆攻撃の罪でのアメリカ裁判を示唆するロシア下院議長

広島の神話 責任を負わない戦争犯罪とアメリカ軍の歴史の嘘

広島から福島へ、1945-2011

はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える日

原爆の隠蔽:米国によるヒロシマとナガサキへの原爆投下の隠されたストーリー

広島の嘘は、現代の嘘だ