対ファーウェイ・ワシントン戦争は続く

2020年7月8日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

 ワシントンにとって、中国の通信機器大手ファーウェイは、ほとんど解決不可能な問題だ。アメリカが、どのように競争すると決めたか、あるいは、むしろアメリカがその代わり、競合であるべきものを一体何で代用しているかを見れば、我々はこの結論を出すことができる。

 CNETの「ホワイトハウスは5Gで連邦の介入を考慮しているという」という題の記事がこう解説している。

木曜のウォール・ストリート・ジャーナル報道によれば、全米の5Gネットワークは連邦政府から支援を受けることができる。彼らが世界規模で、ファーウェイともっと良く競争できるよう、トランプ政府高官が、この動きを考慮しているのだとこの報道は言う。

伝えられるところによれば、トランプ政権は、西欧のネットワーク大手エリクソンとノキアの買収を論じるため、シスコを含むアメリカのネットワーク企業と会った。トランプ政権は、エリクソンとノキアに税優遇措置と資金供給をすることも検討しているとジャーナルが匿名情報源を引用して報じた。

 同記事は、アメリカ政府は、ファーウェイとの「戦い」を論じるため、ノキアやエリクソン以外に、デル、インテル、マイクロソフトやサムソンを含め、他の巨大ハイテク企業との会談をしようと努めていたと指摘している。

 既にファーウェイに負けている外国のネットワーク企業を獲得することが、一体どうして、ワシントンに有利にバランスを変えるのか不明で、エリクソンやノキアのような相当な市場占有率を持っている企業が、どちらの国でも現在事業を享受しているアメリカと中国二国間の経済戦争に引き込まれることで、どれほど利益を得るだろう。

 最良の訴訟シナリオでさえ、アメリカの努力が実現し、ファーウェイを、大幅、あるいは永久に後退させるのに、十分速く結果を見せる可能性はありそうもない。

 強要ではなく、競争の必要性

 アメリカは、ファーウェイと戦うため、実際に競争する以外は、できる限り全てのことをしているように思われる。

 競争というのは、性能あるいはコストに関して、ファーウェイと同等か、より優れた技術の創造を伴うはずだ。

 アメリカ最大のスマートフォン製造業者アップルでさえ、全ての電話が中国製で、アメリカは、そうすることができないのだ。アメリカの最近の発表、これまでのところ、おそらく最も劇的なファーウェイに対する方策が、関連分野の教育改善、国内生産や技術的専門知識ではなく、「投資」や「投資会社」や「買収」や「持ち株会社」だという事実が、アメリカが、対等の条件で、中国と競争する基本的能力のなさを反映している。

 アメリカが、アメリカ国内で部品を選び、回路基板上に置くのではなく、財務台帳上で数字をいじることで、増大する問題に対処することを主張する限り、ファーウェイの勃興を一時的に遅らせるかも知れないが、決して止めるまい。

 それどころか、これらの障害は、ファーウェイや他の企業に、彼ら自身をいっそう回復力がある形に再構築するよう強いて、将来、アメリカが、いつか実際の競争で、中国と戦うと決めた時に、それを一層困難にするだろう。

 一つの注記;ファーウェイの5G技術は、確実に、ファーウェイを、単なる通信会社として築き上げる以上のことをするはずだ。それは、アメリカの圧力ゆえに、代替策に決めるよう強いられた国々に対し、ファーウェイの5Gインフラを配置した国々を優位にし、様々なIT関連経済活動の上で有利にするだろう。

 もしこれら代替物が、本当に、国の通信インフラに適していて、経済力に役立つのなら別だが、もしこれらの選択肢が、政治的理由で選ばれるなら、これらの国々にとって、それは中国との政治的代償のみならず、経済的代償が生じるだろう。

 アメリカ対ファーウェイ:本当の安全保障上の懸念なのか、それとも中傷工作なのか?

 CNET記事も、ワシントンの増大する敵意と、ファーウェイに対する攻撃的戦術の正当化を繰り返して、こう主張している。

去年ファーウェイは、アメリカの「エンティティー・リスト」に加えられて、アメリカにブラックリストに載せられた。更に、ドナルド・トランプ大統領は、同時にファーウェイが中国政府との親密な結びつきがあるという国家安全保障上の懸念を考慮に入れて、本質的に企業の活動を禁止する政令に署名した。ファーウェイは繰り返し、その罪状を否認している。

 これら「国家安全保障上の懸念」はアメリカが何年もの間今表明しているが、依然証拠は提示されていない。

 ファーウェイに対して拡大するワシントンの強迫観念を説明しようとするアメリカ-ヨーロッパやオーストラリア・メディアの取り組みさえ、概して、これらの懸念が弁解に過ぎず、グローバル技術と、それがもたらす経済力と影響力で、アメリカ優位を守るのが本当の狙いであることを認めているのは興味深い。

 ABC(オーストラリア)は記事「ファーウェイとアップルスマートフォンは、いずれも中国製だが、違いは一体何だろう?」で、こう書いている。

オーストラリア国立大学の軍事安全保障センターのクライブ・ウィリアムズ教授は、彼が知る限り、ファーウェイがスパイ活動を行っている証拠はまだ提供されていないとABCに語った。

「ファーウェイは5G研究の分野で先行しているので、それは、同社を抑制して、市場占有率を制限する検証不能な方法であり得る。

 検証不能な非難(あるいは後に偽りと証明された非難)は、経済戦争から文字通りの戦争まで、あらゆる事を円滑に進める手助けになるアメリカ外交政策の生活の糧なのだ。

 極めて興味深いことに、アメリカ諜報機関が潜入して、欧米で製造されるソフトウェアとハードウェア両方を、アメリカがファーウェイに対して現在とっているのと同じような措置を、他の国々が、アメリカ企業に対して向けるのを正当化できるような危殆化をしている実際の証拠があるのだ。

 2013年、MITテクノロジーレビューの「NSA自身のハードウェア・バックドアーは依然「地獄からの問題」かもしれない」という題の記事は(強調は筆者)こう認めている。

2011年に、以前、国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)両方の長官を務めたマイケル・ヘイデン空軍大将は、敵に仕掛けられた秘密の「バックドア」があるコンピュータ・ハードウェアというアイデアを「地獄からの問題」と表現した。今月、漏洩文書に基づくニュース報道が、NSA自身この戦術を使い、アメリカ企業と協力して、チップや監視の取り組みに役立つ他のハードウェアに秘密バックドアを挿入していると報じた

 言い換えれば、アメリカは実際有罪で、まさに、ファーウェイがしていると非難していることを、かなり長い間してきたのだ。それでも世界中の国々は、アメリカ・ハイテク企業活動を阻止したり、門戸を閉じたり、市場で禁止したりさえしようとしなかった。

 世界中の政府は、賢明にも自国で通信機器を製造しようとしてはいるが、各国のハイテク産業が、アメリカ諜報機関やら、そのために働く既得権益団体に、大いに損なわれているにもかかわらず、世界は概してアメリカにかなり甘いのだ。

 アメリカは、単にファーウェイ製品の代替選択肢を製造できないだけでなく、アメリカが持っている製品と、それを製造している企業は、実際は(証拠もなしに)ファーウェイが中国政府と持っていると主張しているのと同じぐらい、ワシントン諜報機関との結びつきで汚染されているのだ。

 世界の舞台でアメリカの資金と評判を燃え尽くしている、世界中でのワシントンによる多くの文字通りの戦争同様、ワシントンの経済戦争も失敗する運命に思える。征服と強要よりも建設的競争が優先するまでは、アメリカは、その創造力を推進し、実証する代わりに、ワシントンは、最近の代用物を発表する不幸な道をたどり続けるだろう。

 Ulson Gunnarはニューヨークを本拠とする地政学評論家、ライター。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/07/08/washingtons-war-on-huawei-continues/

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 『米中貿易戦争の裏側』を大変興味深く読んだ。まさに、この記事の話題そのもの。

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