チャーチル、コロンブスとレオポルド、倒れる

マーガレット・キンバリー、BARシニアコラムニスト
2020年6月17日
Black Agenda Report

 自分たちのアイデンティティ感覚と社会的地位が白人優越論と深く結びついているので、何百万人もの白人が大量殺人犯を賛美している。

 「大量殺人犯を名指しし、非難するのは重要だ。」

 非人道的犯罪の犯人連中は、敬意と称賛の対象に祭り上げられることが多い。それは全て、誰が殺害をしたのか、誰が殺されたかによる。今殺人犯連中は責任を問われている。アメリカにおける警察や他の国家暴力に反対する新たな動きは、全世界で起きている、この歓迎すべき変化を引き起こした。彼らが残虐行為をしてから数十年、あるいは数世紀たってから、犯罪者連中は正体をあばかれている。殺人には時効がなく、その手が何百万人もの血に塗れた連中に対して、時効は、あってはならない。

 ベルギーのレオポルド国王像は汚され、撤去さえされた。レオポルドは個人的封建領地として、コンゴ自由国を所有しており、ゴム農園で働くよう強いた約1500万人の人々を殺したのだ。殺人や四肢切断の残酷さは、20年以上の恐怖統治後に暴露された。大量虐殺に衆目を集める上で、黒人アメリカ人ジャーナリストのジョージ・ワシントン・ウィリアムズが重要な役割を果たした。

 大量虐殺が言及される際に、アドルフ・ヒトラーが唯一思い浮かぶヨーロッパ人である代わりに、レオポルドという名が同じ効果を持つべきなのだ。だがヒトラーはヨーロッパ人を殺し、レオポルドはアフリカ人を殺したのだ。一人の犯罪は広く知られているのに、もう一人は、その犯罪が消し去られたため非難から逃れている。

 「レオポルド国王は、ゴム農園で働くよう強いた約1500万人の人々を殺害した。」

 同じことがウィンストン・チャーチルにも言える。第二次世界大戦中、彼は英国軍に供給された米と麦の盗難で引き起こされた植民地インドの飢饉を取り仕切っていた。推計300万人が亡くなったが、ベンガル州での飢餓は、彼が大量殺人を犯す最初の機会ではなかった。第一次世界大戦後、彼はイギリス支配に反抗するイラク人を毒ガスで殺すよう主張した。「未開の種族に対して毒ガスを使用するのに私は大賛成だ。」彼は既に1918年、ロシアのボリシェビキへの化学兵器攻撃を命令していた。

 現在、ロンドンの議会前広場のチャーチル像は抗議行動参加者から守るため大きな箱で覆われている。彼のインド人犠牲者たちは「うさぎのように繁殖する」と言った男に、ある集団が、正しくも、人種差別主義者と落書きした。

 この国で、奴隷商人やインド人殺しを讃えた像と全く同様、タブーも崩壊している。バージニア州リッチモンドのロバート・E・リー記念碑は、今や落書きと、警察の手で殺され、犯罪が隠蔽されている殺人者連中を非難する動機を人々に与えたジョージ・フロイドの似顔絵で覆われている。余りに多くの歴史家たちが、真実を話すのではなく、腐敗した体制の支持を決めている。だが人々はエリート連中のあらゆる懇願を無視して、自ら問題の解決に臨んでいる。

 「チャーチルは、彼のインド人犠牲者は「うさぎのように繁殖する」と言った」

 クリストファー・コロンブスも暴露されている連中の一員だ。スペイン国王のための彼の航海に、他のヨーロッパ侵略が続き、南米の一角からアラスカに至るまでの先住民に対し、病気と血まみれの征服をしたのだ。この大量虐殺は、北米や南米中で、アフリカ人を奴隷として苦しめた太西洋横断奴隷貿易の前兆だった。

 だが全ての行動には反応があり、ニューヨーク市で、コロンブス像を除去する問題が提起された際、アンドリュー・クオモ知事は「だが、この像はニューヨークに対するイタリア系アメリカ人の貢献に対する感謝を意味している。」と異議を唱えた。コロンブスはジェノアでクリストーフォロ・コロンボとして生まれた。クオモや他の連中が犯罪者にしがみつく必要性は明白だ。コロンブスは、コロンブスはイタリア人を入植者植民地の中心に置いてくれるのだ。彼らは最初に到着した際、しばしば軽蔑される南ヨーロッパのカトリック移民ではない。コロンブスは彼らを白人アメリカ人にしてくれるので、このお墨付きを失わないよう、連中は彼にしがみつくのだ。

 自分が何者かを定義さえする大量殺人犯の汚れを取り除くため、我々は力をこめて働くべきなのだ。コロンブスという名前はアメリカ自身を意味するようになった。彼の名にちなんで名付けられた南米の国コロンビアがある。アメリカの首都はコロンビア特別区で、カナダ西部の州は、ブリティッシュ・コロンビア州で、二重に植民地化されており、オハイオ州コロンバスのような市や、コロンビア大学のような組織まで多々ある。彼の侵略のために苦しんだ先住民たちは、今や彼らの文化に、コロンブス以前と、コロンバブ後とレッテルを貼られている。何百万人もの人々が強制的にジェノシデール(虐殺者)に関連づけられて、犯罪は続いている。

 「コロンブスはイタリア人を入植者植民地の中心に置いてくれるのだ。」

 真実を語る潮流を止めようとしているのは、ニューヨーク州のクオモ知事だけではない。銃や他の武器で武装した白人男性集団が、フィラデルフィアでコロンブス像を守る必要を感じた。このかたくなさが、我々が大量殺人犯を名指し、面目をなくさせることがなぜそれほど重要かを示している。白人優越論を過去のものにするべきなら、彼らの信用を破壊しなくてはならない。像はなくさなければならず、もし白人が加害者で、非白人が被害者なら、残虐行為を助長する言い訳も無くさなければならない。

 記念碑撤去を巡る懸念は、これら個人たちへの敬意に関係するだけではない。何百万人もの人々が変化を望んでいるが、更に何百万人もの人々は望んでおらず、彼らのアイデンティティや社会的地位が、白人優越論としっかり結びついているので、彼らはコロンブスやレオポルドやチャーチルやロバート・E・リーにしがみついているのだ。コロンブス像が倒れれば、白人の権利や特権の一部も倒れるかもしれない。

 大量虐殺の記念碑は取り壊されなくてはならない。世界中で行われている人種差別の核心を攻撃しようと望む誰にとっても、エリートにもたらされる不快は重要ではない。チャーチルやコロンブスやレオポルドや彼らの全ての同類に、さようなら、清々。

 マーガレット・キンバリーのフリーダム・ライダー・コラムは毎週BARに掲載され、他にも広く転載される。彼女はpatreon.com/margaretkimberleyでも、同様に頻繁に更新すブログを維持しており、ツイッター@freedomrideblogにも良く投稿している。キンバリー女史はニューヨーク市に在住で、電子メールMargaret.Kimberley(at)BlackAgendaReport.comで連絡できる。

記事原文のurl:https://www.blackagendareport.com/freedom-rider-churchill-columbus-and-leopold-fall-down

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 レオポルドについては、藤永茂氏が著書で触れられている。残念なことに入手困難。巨大書店には高い価格の古書がある。
『闇の奥』の奥―コンラッド/植民地主義/アフリカの重荷

 同じ筆者の記事『ベネズエラ経済を破壊するアメリカ合州国』を以前翻訳した。

 藤永茂氏、ブログ『私の闇の奥』で、Black Agenda Reportに何度か言及されている。

Glen Ford (Black Agenda Report)

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ルワンダよりコンゴに目を凝らせ