地下鉄がニューヨーク市でのコロナウイルス大流行の種を蒔いた

地下鉄がニューヨーク市でのコロナウイルス大流行の種を蒔いた

論文pdf最後のページ、結論だけを翻訳してみた。

MIT 人文科学・社会科学部
偉大なアイデアが世界を変える

ジェフリー・E・ハリス*
経済学部
マサチューセッツ工科大学
ケンブリッジ MA02139 USA
jeffrey@mit.edu
2020年4月24日更新

 最近の他の主要都市でのコロナウイルス蔓延における地下鉄や公共交通システム全般の役割研究は注目に値する。都市交通システムは、設計や、年代が異なり、きわめて様々だ。一部のシステムには多くの地上の駅があり、他方他のものには、ニューヨーク市のように主に地下に駅がある。近代化された信号システムが、列車の本数を増し、混雑度を下げるのを可能にしている。一部のシステムは局地的サービスに焦点を合わせているが、ニューヨーク市のような他のシステムは、端から中心に向かって走り、更に別の端に向かって戻り効果的な交通混合機役を演じている。特に興味があるのは、中国、武漢(Xu 2020年)でのCovid-19発生後の地下鉄閉鎖時期に関する今後の評価だ。いくつかの証拠が、2020年3月の最初の二週間、ニューヨーク市におけるコロナウイルス流行の最初の急激な増加の際に、地下鉄網が、第一の感染源ではないにせよ、コロナウイルス感染の大きな伝播装置であることを示している。その後、大衆のリスク認識が高まり、地下鉄利用が著しく減少し、ウイルス蔓延も減少し、地下鉄が主要媒体だった証拠となり、結論を裏付けている。それにもかかわらず、証拠が観察によるものなので、一部の科学評論家たちが、因果関係を証明するのは困難だと結論するだろうと我々は想像できる。それでも我々は、公衆衛生の実践者たちが、我々が今知っている事実を基に行動するのを嫌がるとは思えない。

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 博士が、テレビ番組で、日本に警告しておられたのを見て、この論文に気がついた。至極当然な結論。だが、PCR検査を極端に絞っている世界のガラパゴスでは、信頼できる十分な客観的データが欠如しており、同様な研究も考察も全く不可能。パチンコ屋をたたく暇があったら、通勤電車問題を論じろと素人は思う。

 間引き運転は、混雑を招くので、間引きはしないようにとも言っておられた。ニューヨーク市のサービス業で暮らす人々や、地下鉄以外の手段を選べない階層の人々が感染しやすいという、経済格差も指摘しておられた。

 日刊ゲンダイDIGITAL

PCR検査費1日1500件のア然…“1日2万件”は予算案から消え

 コロナ対策の上で、この国の官僚、政治家の感動するほど見事な迷走を見ていて、またMIT大学のモットー「great ideas change the world 偉大なアイデアが世界を変える 」を読んで、思い出した本がある。

 『人材は不良社員から探せ』天外伺朗著

 天外伺朗著とあるが、実際は、ソニーで画期的なワークステーションNEWSや、CD規格や、アイボ開発にかかわったソニーの上席常務までつとめた土井利忠氏によるものだ。
 上司の機嫌を気にする忖度社会では決して画期的新製品、解決策を打ち出せないことを自らの経験をもとに論じている。次々大成功の実績をあげた本人の説明には説得力がある。成功の秘訣はともあれ、失敗の理由には身につまされる。実に残念ながら、大本の講談社ブルーバックスは今はなく、再刊された講談社+α文庫版も入手困難なようだ。

 幸い、下記ブログに、素晴らしい要約紹介があるので、転載させていただこう。

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
「個」と「組織」のよりよい関係を築くために考えていること

まず「失敗要件」を要約してみよう。

 ① 協調精神、② 「良い子」の存在、③ サロン化、④ 不明瞭な雰囲気、⑤ 船頭が多すぎる、⑥ マネジャーが邪魔をする、⑦ 上を向いて仕事をしている。

 組織風土としては良く見えるものも、実はプロジェクー遂行の上で阻害要因となっている場合があることが分かる。

 次に「成功要件」を見てみよう。ただし、これらはあくまでプロジェクト成功の必要条件であって、これをやればうまくいくという意味での十分条件ではない。

 まず、個人的な条件として必要なのは、① プロのセンス、② 戦略眼、③ 強力な推進力・達成意欲、④ 感激する心、⑤ 頭の柔らかさ、⑥ 好奇心、⑦ 茶目っけ、⑧ 行動力、⑨ 問題提示能力、⑩ 問題(とくにトラブル)解決能力、⑪ その分野の専門知識、⑫ 向上意欲・積極性である。

 そして、プロジェクーを遂行するチームにとっての必要条件は、次のとおりだ。

① 目標は単純明快、センスが良く画期的で、ユニークであり、短期間で達成可能なこと。
② 人材たちの魂の底からほとばしる目標であり(高い志)、成功の直感がすること。
③ 一定レベル以上の人間集団(感受性、心の広さ、頭の柔らかさ、感激する心、好奇心、積極性、戦略の理解力)であること。
④ リーダーとフォロワーがはっきりしており感情的な抗争がない。また、専門が適度に分散している。
⑤ チームとして自律的に動ける。
⑥ 全体のムードは、ほどよく楽観的、ほどよく過激。力んでおらず、目がつりあがっていない。
⑦ 大問題が発生しても、ビックりしたりあわてたりしない。着実に解決策を出す。

 このように列挙してみると、すぐにでもできるような気もしてくるが、これがなかなか難しいことはプロジェクー経験(技術開発に限らない)のある方ならお分かりのことと思う。また、たとえ成功条件をクリアしたとしてもあらゆる方向(特に内部)から邪魔が入ってくる。第14章で D博士自身がいうように、「‥‥だから(画期的プロジェクトは)あまり人には勧められないのですヨ。だいたいはうまくいかないケースが多いですからナ。徒労が多く、消耗するのがオチです。もし、うまくいきそうになったとしても確実に背後から鉄砲で撃たれる」 のである。