サウジアラビアに対抗して、ムスリム同胞団側につくかもしれないフーシ派

2020年2月14日
キャサリン・シャクダム
New Eastern Outlook

 「ここ数週間、イエメンの(ムスリム同胞団などの、様々なイスラム団体の政治的上部組織)アル=イスラのメンバーにより、アラビア半島でサウジアラビアの影響力を弱めるため、フーシ派との政略同盟を組織する取り組みが行われた」とサヌアの情報筋が独占的発言で述べた。

 当然ながら、安全上の理由から、仮にアリと呼ぶ我々の情報源は匿名を条件に話したが、アル=イスラは自勢力とアンサール・アッラー(フーシ派)勢力間で和睦し、地域で、サウジアラビアとその同盟国の盲点を突こうと狙っていると断固述べた。

 いまだに、イラン、より概括的にはシーア派イスラム世界に対する親近感ゆえに、故アリ・アブドラ・サレハ大統領に忠実な国民全体会議の一派、フーシ派にして、アル=イスラは、多かれ少なかれ国連が支援するアブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領寄りだが、イエメンと、より広範な地域での最近の展開が、ムスリム同胞団に、既存の政治的枠にこだわらず、彼らのイデオロギー的居場所を広げて考えるよう駆り立てたのだ。

 政治運動として、ムスリム同胞団とイエメンのアル=イスラは、かなり急進的で、不寛容な世界観を持っているが、指導部は、まさに彼らが破壊したいと望んでいる相手や軍事組織と組むことを意味するにせよ、現実主義に従うのをいとわず、そうできると言わなければならない。

 アル=イスラにとって、権力と支配力の追求は、いかなる政治的一貫性より遥かに重要なのだ。

 「フーシ派とムスリム同胞団の同盟は決して法外なものではない。歴史的に、同胞団は現実的で、指導部は、常に最強で、戦術的に最も有利な相手との提携を好んできた」とアリが指摘した。

 実際、アル=イスラは、権力分担の方が、長引く対立より良いのを理解し、故サレハ大統領の指導下で、何十年間も国民全体会議と共存していた。サレハ大統領に対する好都合な反政府勢力として、当時、サレハと与党を、彼らの地域構想と同じレベルに引き留めておく目的を正当化できる手段として見なされて、アル=イスラは、サウジアラビアやUAEを含め、いくつかの湾岸諸国からの財政援助される恩恵をうけていた。

 好戦的過激派集団への支援のかどで、同胞団が政治的恩寵を失うにつれ、アル=イスラは、その輝ける星が、むしろ劇的に欠けるのを目にして、指導体制に同盟を再考することを強いた。

 元来アル=イスラは、フーシ派に反対し、ハーディ大統領とサウジアラビア率いる連合を支持したが、この党は、ハディとサウジアラビア後援者から自立して、イエメン内に影勢力圏を作ろうとし、アル=イスラはリヤドとアブダビと直接競合するようになった。

 サウジアラビアと他の湾岸諸国が、ムスリム同胞団や他の過激派やテロ集団支援に関し、カタールとの外交関係を切断した2017年6月以来、UAEはアル=イスラの陣地に対する軍事攻勢を始めた、この動きが、アル=イスラを、喫緊の実存的脅威と見なす敵、フーシ派との連合を狙う動きに押しやったとされている。

 2018年8月、南部の港アデンで、武装過激派戦士が、アル=イスラ幹部のアラファト・ハザムを殺そうとした際、ハーディの軍と、サウジアラビアに率いられるイエメン連合間の緊張がむき出しになった。UAEもハーディ支持者も、いかなる関与も否定しているが、アル=イスラは、元後援者のメッセージを実にはっきり聞いたのだ。生き残るには、通常の政治的枠組み外での同盟が必要だ。

 「彼らが、それぞれの地域のネットワーク、すなわち、イラン、イラク、カタールと、もちろんトルコに接近することで、イエメンのかなりの領域と、多くの部族指導者に対する支配が得られ、イエメンと地域からサウジアラビアを追い出すことができるという意味で、アル=イスラもフーシ派もお互いを必要としている」とアリが強調した。

 多くの読者にとって、このニュースを理解するのに、一、二分必要だとしても、ムスリム同胞団支持者と、地域のイランの様々な代理部隊間の壮大な同盟という考えは、長年進行中だったのだ。武力外交は、空念仏ではない。

 2019年11月、まさしく、彼らが合意できる一つのこと、サウジアラビア封じ込めの必要性に対し、彼らの勢力をまとめるため、ムスリム同胞団とイラン両方がとった処置を明らかにする報告をInterceptでジェームズ・ライゼンが書いていた。

 彼はこう書いていた。「2014年の会談に関するイラン諜報電報は、モルシが権力から追放された後も、接触を維持する彼らがまだ協力できるかどうか判断するための、ムスリム同胞団とイラン当局による秘密の取り組みに、興味深い一瞥を与えてくれる。」

 「シーア派世界代表としてのイランと、スンニ派世界代表としてのムスリム同胞団という象徴の相違は明白だ」と同胞団メンバーは、イラン情報省の電報で指摘した。だが彼らは、それがそこで「協力のための共通基盤に焦点をあてるべき」ことを強調した。グループが共有した最も重要な一つは、ムスリム同胞団とイランの「共通の敵」サウジアラビアに対する憎悪だったと同胞団代表は述べた。」

 国内では、民衆が不穏状態で、外国ではイラクが全ての外国軍の駐留終了を要求する状態で、イランが、いくぶん「弱体化している」中、テヘランは、イエメンから始める、ムスリム同胞団との政略連合形成を望んでいるのかもしれない。

 フーシ派にとって、イデオロギーを理由に、休戦のための取り組みを無視するには、アル=イスラは余りに大きな戦術的機会だ。

 もし両国が実際協力すると決めたなら、間もなく、サウジアラビアや湾岸協力会議の多くの国々は、彼らはイエメンに戦いを挑まなければ良かったと思うかもしれない。

 キャサリン・シャクダムは、Al Bayan Centre for Planning & Studiesの過激派運動を専門とする特別研究員。彼女はA Tale of Grand Resistance: Yemen, the Wahhabi and the House of Saudの著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/02/14/the-houthis-may-side-with-the-muslim-brotherhood-against-saudi-arabia/

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 東京新聞記事に同感。こういう、当たり前の常識が、常識でない地域は国でも何でもない。アリスのワンダーランド。

首相懇親会疑惑 言い逃れはもう無理だ