新たな温暖化対策強調の背後にある本当の金の流れ

2020年1月27日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 わずか一年ほどで、思いつける人々のほとんど全員、地球温暖化を「止める」ための急進的対策として、新たな環境重視の時流に乗ったように思える。現在、企業経済グローバル化の砦であるスイスのダボス世界経済フォーラムは、今年、「地球を救う方法」という概念に焦点を当てて、「ステークホルダーがつくる持続可能て結束した世界」を主要テーマにした。もちろん、特別講演者は若いスウェーデン人活動家グレタ・トゥーンベリだった。ごくわずかの人々しか理解していないのは、このすべてが、世界的な資本の流れの大規模な移行を準備するために、利益を得る立場にあるひと握りの巨大金融企業によって、どれほど慎重に計画されているかだ。

 グレタから、いとしのチャールズ皇太子に至るまで、ダボス2020年の主題は、初めて地球温暖化の話題で独占された。世界巨大企業約3,000社の会議の隙間をぬって、大規模な世界的キャンペーンが計画されており、それには世界最大の投資ファンドのトップ連中や世界の主要な中央銀行幹部が加わっているのだ。

 ダボス評議員

 グローバリゼーション推進者のダボスが、地球温暖化問題の背後に、それほど強力に控えているのは偶然ではなかった。ダボス世界経済フォーラムには任命された評議委員会がある。彼らの中には、環境活動家の億万長者で、Climate Reality Project議長で、グレタ・トゥーンベリの早くからの後援者アル・ゴアがいる。世界経済フォーラム評議員には、ECB総裁としての最初の言葉が、中央銀行は気候変化を優先事項にしなければならないと言った元IMF専務理事で、現欧州中央銀行総裁のクリスティーヌ・ラガルドもいる。もう一人のダボス評議員として、ボリス・ジョンソンの地球温暖化顧問に任命されて、気候変化を無視する年金基金が(原文のまま)破産のリスクをおかしていると警告している退任するイングランド銀行総裁マーク・カーニーがいる。評議委員会には、影響力の大きなカーライル・グループ創設者デイビッド・M・ルーベンスタインもいる。世銀グループの競争力と炭素排出権価格設定の上に同じくレベルが高い指導者としてフォーラムの議長である農業関連巨大企業ユニリバーのFeike Sybesmaもいる。この新たな環境重視の取り組み推進に関して、おそらく最も興味深いのは、投資グループ、ブラックロック創設者でCEOのラリー・フィンクだ。

 フィンクの手紙

 ブラックロックは普通の投資資金ではない。ニューヨークに本拠地を置くブラックロックは、100以上の国に投資した約7兆ドル、そう、兆も管理している世界最大の資産管理企業だ。それはドイツ、フランスの合計GDPよりも大きい。彼らは世界中の全ての主要取引所で株を支配し、主要石油企業や世界最大の石炭企業の筆頭株主だ。意欲的なドイツのCDU政治家フレデリック・メルツは、2016年から、ブラックロック・ドイツの会長だ。

 2020年1月14日、気候変化を呼び物にするダボス会議のわずか数日前、フィンクは企業CEO向けに、異様な年報を発行した。ブラックロック創設者でCEOのラリー・フィンクは、気候関連投資に、本格的に飛び乗ったのだ。

 ブラックロックの7兆ドルから多少の投資を期待している無数の企業に案内する精読される手紙に、彼はこう書いていた。「地球温暖化は、企業の長期見通しにおける決定的要因になった。」最近の地球温暖化反対運動を引き合いに出して、フィンクはこう述べている。「認識は急速に変化しつつある、我々は金融の基本的再形成の寸前にあると私は考えている信。気候リスクの証拠が、現代の資金管理に関する中核的な仮定を再考するよう投資家に強いている。」

 「気候リスクは投資リスクだ」と宣言して、フィンクは、気候リスクがどのように経済全体に影響を与えるか、というとてつもなく困難な質問をする。彼には答えがあるのを我々は知ることになる。「リスクと資産価値の徹底的な再評価」と彼が呼ぶものに言及して、フィンクは「資本市場は、未来のリスクを前倒しにするので、我々は、気候そのものの変更を見るより速く、資本配分の変化を目にすることになる。近い将来、大半の人々が予想するより早く、大規模な資本再配分があるだろう。」ひと握りの世界最大の金融集団が、その資本再配分の舵を取ることを我々は知るのだ。これだけでも、内省のための小休止が必要なはずだ。ここには、別の狙いがあるのだろうか?

 フィンクとお仲間は、一体どのようにして、彼らの投資、そして、他の人々の金、我々の何百万もの国民貯蓄の投資の流れを変えるのだろう? ブラックロックは、7兆ドルを投資している企業に「持続可能性を、ポートフォリオ構築とリスク管理にとって、不可欠なものにし、彼らがグリー適合だという証明を見せるよう要求することを計画している。一般石炭生産者のような、持続可能性での高いリスクとなるものへの投資を止める。化石燃料をふるいにかけるような新たな投資商品のたちあげ。投資管理活動での、持続可能性と透明度への貢献強化」。言い換えれば、もしあなたが国連IPCCやマッキンゼー社を含めた関連集団の要求に従わなければ、あなたは多額の金を失のだ。

 TCFDとSASBが、しっかり監視する

 新たなグリーン投資は良いことだという主張の一環として、フィンクは、ブラックロックが気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の創設メンバーだったと言っている。彼は「気候関連リスクの評価や報告や、資産管理に不可欠なガバナンス問題に関して、TCFDは有益な枠組みを提供します」と主張している。

 TCFDは、2015年に国際決済銀行が創設し、ダボス理事会メンバーのイングランド銀行総裁マーク・カーニーが議長を務めている。2016年、シティー・オブ・ロンドン自治体とイギリス政府とTCFDが、「グリーン」投資に、何兆ドルも向けることを目指して、グリーンファイナンス・イニシアチブを立ち上げた。金融安定理事会FSBの中央銀行幹部が、TCFDを構成する31人の人々を指名した。億万長者マイケル・ブルームバーグが議長を務めるTCFDには、更に、ブラックロック、JP Morgan Chase、バークレイズ銀行、HSBC;世界で二番目に大きい再保険会社のスイス・リー、中国のICBC銀行、タタ・スティール、ENI石油、ダウ・ケミカル、巨大採鉱企業BHPと、アル・ゴアのジェネレーション・インベストメント社のデイビッド・ブラッドがいる。中央銀行の極めて重要な役割に留意願いたい。

 更に、ブラックロックと、一兆ドル資金の世界中のお仲間が、適切な企業に正しい投資をするのを保証するため、フィンクは「ブラックロックは、米国サステナビリティ会計基準審議会(SASB)が様々な問題に対し、報告持続可能性情報に一連の明確な基準を提供すると信じている」と述べており、温暖化防止に役立つという認可を与えるSASBメンバーを、一体誰が構成するかを見るまでは、これは心強い。メンバーには、もちろんブラックロックに加えて、ヴァンガード・ファンド、フィデリティー・インベストメント、ゴールドマン・サックス、ステイト・ストリート・グローバル、カーライル・グループ、ロックフェラー・キャピタル・マネジメントや、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチやUBS等の多数の大手銀行がいる。この枠組みグループは一体何をしているのだろう? 彼らのウェブサイトによれば「我々は、2011年以来、77の産業のために、持続可能性会計基準を開発し、維持するという意欲的目標に取り組んでいる。」つまり、現在、主要な採鉱や石炭や石油プロジェクトで、数十年にわたり、世界中の資本の流れの舵を取っている、まさにその金融集団が、今、どの企業が、将来「グリーンボンド」投資の金に恵まれる資格があるのか、どの企業は、そうでないのかの裁定者になっているのだ。

 中央銀行連中が加わる

 ここ数カ月、世界中の主要中央銀行幹部が、中央銀行の「主要責任」の核心として、驚くべきことに、インフレーションや通貨安定化のような問題をさしおいて、気候変化だと言い出した。一体どうして、そうなるのか、誰も、あえて説明しようとしておらず、これには一層困惑させられる。

 2019年11月、連邦準備制度理事会は「気候変化の経済学」という題の会議を開催した。連邦準備制度理事会の金融安定委員会議長ラエル・ブレイナードが、気候変化は金融政策と金融安定のために重要だと述べた。最近、日本銀行の黒田東彦総裁は、日本の新聞に「気候関連リスクは、他の金融リスクより、影響が比較的長く続くことを意味する点で、他のリスクと違い、影響は遥かに予測しがたい」「それゆえ、気候関連リスクの影響は、徹底的に調査、分析する必要がある」と述べた。前IMF専務理事のクリスティーヌ・ラガルドは、欧州中央銀行総裁としての最初の発言として、欧州中央銀行政策レビューで、地球温暖化に関し、重要な役割を演じたいと宣言し、欧州中央銀行のドイツ・メンバー、イェンス・ヴァイドマンから批判された

 おそらく、地球温暖化について、最も率直で活動的な中央銀行幹部はラリー・フィンクとともにダボス評議員である、退任予定のイングランド銀行総裁マイク・カーニーだ。ボリス・ジョンソンの地球温暖化問題顧問をつとめる予定のカーニーは、最近、不特定の年金基金分析を引用して、「あらゆる企業の政策を合計すれば、摂氏3.7-3.8度の温暖化と矛盾しない」とBBCに述べた。彼は更に、摂氏4度の気温上昇にまつわるリスクの中には「最高7億6000万人の人々に影響を与える海面の9メートル上昇、 燃えるような熱波や干ばつや、深刻な食物供給問題」があると科学者たちが言っていると続けた。確かに、本当に恐ろしいことだ。

 上記通り、既に2015年の昔、ダボス理事会評議員で、国際決済銀行BISの金融安定理事会(FSB)議長のカーニーは「地球温暖化のリスクについて、投資家、貸付会社やと保険会社に助言するため」気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を設立していた。

 明確になりつつあるのは、最近の劇的な地球温暖化反対行動の世界的な活動は、世界の生活水準を劇的に低下させる、遥かに効率が低いエネルギー・モードへの世界経済の本格的再編成を正当化するのが狙いだ。2010年、国連気候変動政府間パネルの第三作業部会共同議長オトマル・エデンホファー博士が、インタビュアーに言った「我々は、事実上、世界の富を、気候政策で再分配するのだとはっきり言わなければならない。国際的な気候政策が環境政策だという錯覚から、人は自身を解放しなければならない。それは環境政策には、もはや、ほとんど何も関係ない」それをするために、世界最大の資金管理者ブラックロックから始めるより良い方法があるだろうか?

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/01/27/follow-the-real-money-behind-the-new-green-agenda/

———-

 「クルーズ船から乗客6000人降りられず、新型肺炎検査で2人隔離」という記事で『デカメロン』を思い出した。イタリア古典。デカとは十という意味。1348年に大流行したペストから逃れるためフィレンツェ郊外にこもった男3人、女7人の10人が退屈しのぎの話をする趣向、10人が10話ずつ語り全100話。読んだのは40年以上前。楽しい艶笑譚。

 1/31 参院・予算委員会
 共産党の大門実紀史議員が、萩生田光一大臣が、関連集会で「カジノは、一度開設したら、撤退させることができない仕組みなので、安心して進出できるようになっている」という趣旨の発言したのを暴露。当然のわけのわからない弁明?にTPPのラチェット条項や、ISD条項を思い出した。
 夜の大本営広報部呆導、この重要な質疑応答にふれたものはあったのだろうか。

 共産党大門実紀史議員の質疑 約20分

 https://youtu.be/1APbT46VPGI

 そこで、孫崎享氏の日刊ゲンダイ記事題名には、大いに違和感を受ける。

米国ファーストのトランプ政権と自分ファーストの安倍政権

 日本人の資産を、アメリカのカジノ企業に永遠にさしあげる行為は自分ファーストだけではないだろう。下記表現が、より正確だろう。

米国ファーストのトランプ政権と米国ファーストの安倍政権

 日刊ゲンダイDIGITALには、こういう記事もある。

また望月記者イジメ?菅長官ベッタリの首相官邸記者クラブ