伊方原発差し止め命令が示す裁判所良心のともしび

植草一秀教授からの情報です。


 

愛媛県の四国電力伊方原発3号機について、1月18日、広島高裁が運転を当面認めない決定を示した。

日本の司法に残されているかすかな良心が機能した。

裁判所判断は裁判官の属性によって方向が変わる。

2009年から2011年にかけて日本を揺るがした小沢一郎衆議院議員の政治資金管理団体を巡る政治資金規正法違反疑惑事案でも、東京高裁の小川正持裁判官と飯田喜信裁判官との間でまったく異なる判断が示された。

この問題については元検事で弁護士の郷原信郎氏が詳細な解説を公開されている。

「「刑事裁判の絶対権力者」による「ざまあ見ろ」判決の傲慢」
https://bit.ly/3ag7nNf

石川知裕元衆議院議員などを有罪とした東京地裁の登石郁郎裁判官、東京高裁の飯田喜信裁判官の判断は失当と言うほかない。

裁判所が政治権力の手先になっている典型的な事例である。

したがって、裁判所の判断を絶対視しないことが重要だ。

裁判所が有罪の判断を示しても無実潔白のことは数多く存在し、裁判所が無罪としても実は無実ではないことも数多く存在する。

裁判所の判断を「ひとつの判断」として受け止める、「裁判所判断の相対化」が重要だ。

今回、広島高裁が伊方原発の運転差し止めを命じる判断を示した。

「法と良心に基づく」適正な判断であるが、この判断がいつ覆されるか分からない。

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裁判官の人事権は内閣に握られている。

内閣総理大臣が権力を濫用する者であるときには、裁判所判断が著しく歪められる。

今後の動向に十分な警戒が必要だ。

裁判所が政治権力の意向に反する判断を示す場合には傾聴が必要だ。

裁判官の人事権を内閣が握っている。

裁判官が政治権力の意向に反する判断を示す場合には、それなりのたしかな根拠と決意があると考えられる。

裁判官が自分の利益だけを考えるなら、政治権力の意向に反する判断を示さないだろう。

我が身のリスクを冒して政治権力の意向に反する判断を示すには、重大な決意と強い根拠があると捉えるべきである。

伊方原発の運転差し止めを命じる決定を示した広島高裁の森一岳裁判長は65歳での定年退官を控えている。

これも「法と良心に基づく適正な司法判断」が示される上で好都合な事情であったのかも知れない。

森一岳裁判長は、「原発のすぐ近くに活断層がないとは言い切れず、地震対策に誤りがある」、「火山噴火への備えも想定が小さすぎる」と判断した。

福島第一原発の事故を受けた新規制基準に沿って進められている電力会社の安全対策、およびそれを認めてきた原子力規制委員会の判断に疑問を突きつけた。

山口県内の住民が運転差し止めを求めたことについて、山口地裁岩国支部は昨年春にこれを却下した。

住民は即時抗告し、今回、広島高裁が申し立てを認める判断を示した。

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この決定に対して四国電力は不服申し立てをする方針を明らかにした。

伊方原発3号機に対しては、2017年12月に広島高裁が阿蘇山での数万年に一度起こる巨大噴火「破局的噴火」のリスクを理由に運転差し止めを命じたことがある。

火砕流が原発に到達するリスクを指摘し、新規制基準に合格させた規制委の判断を不合理とした。

しかし、2018年9月の異議審で同高裁が一転して運転を認めた。

今回も異議が申し立てられ、広島高裁が別の裁判官によって判断が覆えされる可能性がある。

2014年に福井県の関西電力大飯原発3、4号機運転差し止めを命じた樋口英明元福井地裁裁判長が、「原発を審理する裁判官に与える心理的影響はものすごく大きい」と語ったと朝日新聞が報じている。

樋口氏は今回の決定について

「再稼働を認める判断が続いているにもかかわらず、活断層と火山の両方で原発を止める判断を下した影響は大きい。

原子力規制委員会の判断が原発の安全性を確保する内容になっているか、踏み込んで判断した。

前例主義に終止符を打った」

と評価し、差し止めを命じた森一岳裁判長について

「前例主義にとらわれず事件と率直に謙虚に向き合い、自分の頭で考える裁判官だ」

と話したと朝日新聞が報じている。

良質な裁判官がわずかながらも存在していることは吉報だが、裁判所の最終判断は政治権力によって歪められることが多い。

原発稼働を推進する政治そのものを刷新することが必要不可欠になっている。

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