ツタ考2~森の言葉(コトノハ)~

日本を守るのに右も左もない さんからの情報です。


 

日本人の歴史、その民族性をいわゆる歴史時代からさらにさかのぼって考えるとき、重要なテーマの一つとして、縄文土器に表された文様は何を表しているのか、そこにどういった思いが込められているのかという点があります。

以下に紹介する仮説では、それは、縄文人の信仰の対象てあった蛇、そしてそれと見立てた「ツタ」であると言います。蛇=ツタは、生命エネルギー、男女の交わり、共同体の継承、大自然の循環などを複合的に表した、縄文人の世界観、統合観念そのものだったのではないかとと言います。「縄文と古代文明を探求しよう」から転載させていただきます。前回に続き第2話です。

http://web.joumon.jp.net/blog/2011/11/001336.html

http://web.joumon.jp.net/blog/2011/11/001335.html前回第1話

「蛇」に対する信仰は、世界でもいくつかあることは知られています。
けれども、蛇とツタを重ねて信仰したのはおそらく縄文人だけだったのではないでしょうか。
絡み合うツタは蛇の性交をイメージしていたもの。すなわち男女の交わりを象徴したものです。それは「男と女の繋がり」「子孫の繁栄」を願ったものだったのでしょう。
彼らの思考の奥深さ、そして大地に対する畏敬と感謝の念を感じずにはおれません。
「縄文」への捉え方が深まっていきそうです。
それでは、第2章へと移っていきます。第2章は「森のコトノハ」です。
それでは縄文の世界をじっくり味わってください。
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“ツタ・ツル・ツナ”の意味や用例、同一音韻を調べてみます。
まずは漢字をとりはらってしまうことが重要です。本来、日本語を調べるには漢字から辿ることはできません。
漢字に惑わされないように注意して進めていきます。ここから使用する漢字は補助として使っているとお考えください。
ツタ(蔦)   ツタワル(伝わる)・ツタッテ(つたって歩く)
ツル(蔓)   ツル(吊る)
ツナ(綱)   ツナグ(繋ぐ)
このまま読むだけだと関係性を感じられませんが、図で表すとすべて同一音韻であることが納得できるはずです。
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 ツタ(蔦)     ツタワル(伝わる)  ツタッテ(つたって歩く)
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 ツル(蔓)     ツルス(吊るす) 
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ツナ(綱)      ツナグ(繋ぐ)
漢字の当て嵌めで無関係に感じますが、ツタ・ツル・ツナの形状と同じ音韻の言葉は見事に一致します。森で生活していた古代の人々が植物の特性をよく観察して産み出した言葉に思えてなりません。
次に“ツル”“ツタ”の違いを考えます。
ツル・・・吊る(つる)  =紐などで固定して垂れ下がるようにする
釣瓶 (つるべ) =つり下がっている桶
弦 (つる)   =弓に張る糸。細い糸
鶴 (つる)   =首と脚が細長い。

※ツルの特徴・・・細いモノ。ぶら下がっている様子。
ツタ・・・つたい歩き=壁・手すりなどに手をかけ、それを支えにして歩く
伝う   =ものに沿って行く。特に何かを手掛かりにして進む
伝わる  =人などを仲立ちとして話が広まる。
伝え   =言い伝え。伝説。
伝える  =(以下に詳しく言及します)

※ツタの特徴・・・沿って進む様子。広い空間に拡がっていく様子。
どちらも宿主を見つけ絡まりながら成長する“ツル・ツタ”ですが
以上のような区分けができました。本文のキーワード“ツル・ツタ”が持つイメージを共有いただけたでしょうか。
ここで私が最も重要な言葉だと考えるのは“ツタ”です。なぜなら最も深い伝達表現“ツタエル(伝える)”と使われているからです。
比較するため伝達表現“ハナス(話す)”を調べましょう。
“ハナス”は「離す」「放す」と同じ音になります。
私が考える模式図です。(言葉はコトノハなので葉っぱで表現しています。)
言葉を話す→コトノハナス
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重要事項を伝達するというよりは、思いついた言葉を“話す・離す”イメージだと思われます。
“ツタエル”は広辞苑や語源辞典などで調べても用例が掲載されているだけで語源は書かれていません。私は“ツタエル(伝える)”の語源は“ツタ(蔦)”だと考えます。
日本語(ヤマトコトバ)は間違いなく森の風景から産まれています。
ではなぜ“ツタエル”が重要な伝達表現になったのか。森の風景から考えてみましょう。下図は私が考える“ツタエル”をイメージした模式図です。
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ツタ(蔦)         ツタエル(伝える)
太い幹は親子関係・師弟関係における“共通認識”を表します。
螺旋に絡まるツタは伝達事項になります。
“ツタエル”には深い関係性を土台としたコミュニケーションが表現されているように思われます。そして“ツタエル”には「受け継がれる」・「物事を引き継ぐ」などの“ツナガル”ことを願うイメージがあります。ここまで読まれると、“ツル・ツタ・ツナ”と同一音韻の名詞や動詞が森にある蔓性植物の生育状況と関係があり、日本語(ヤマトコトバ)が森から産まれた言語であることが理解していただけると思います。
たかが蔓性植物の“ツル・ツタ”ではなく、私たちの日常生活に使われるほど身近であり、私たちの祖先が森の風景から作り出した言葉(コトノハ)だと、みなさんに気付いていただけたらと思います。

(以上転載)