シリア:終盤の勝利者は誰か?

2019年10月31日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 ISIS指導者を殺害して、シリア危機に対するアメリカの関与の証明だというアメリカ大統領の主張にもかかわらず、アメリカに有利な終盤を形成するには、現地の現実に影響を与えるアメリカの能力は限定されている。この暗殺は、トランプが大統領選挙運動を強化するのを可能にするかもしれないが、バクダディの死が、ロシアが主導する和平策定過程で、アメリカが議席を獲得する可能性はありそうにない。同様に、トルコの軍事作戦と、シリアに「安全地帯」を確立することに関する最近のトルコ-アメリカ協議と決定にもかかわらず、トルコとロシアの協定は、終盤を形成する上で、遥かに大きな可能性を持っている。二つの協定の決定的な相違を作り出しているものは、シリアにおける両国の物理的駐留規模だ。アメリカは既に、シリアからイラクへと軍隊の大部分を移動させたのに対し、ロシア軍は積極的にシリアに駐留しており、シリア軍の重要なパートナーだ。

 実際、トルコ内へのクルド人民防衛隊/PKKの潜入を防ぐため、ロシアが共同でシリアトルコ国境を管理する点で、トルコ-ロシア合意の実施は主にロシア軍に依存する。協定はロシアとトルコ双方にとり「お互い満足」だ。トルコにとっては、奥行き10キロの国境地帯共同パトロールは、トルコが最近の軍事行動で得たものの強化に役立つ。これは国境の残る地域のほぼ全てで、奥行き30キロで、クルド人民防衛隊(YPG)撤退に関する合意の中の条項に加えてだ。ロシアにとって、トルコの軍事駐留は問題で、正当性に欠けるが、共同パトロールは、シリアにおいて、トルコのロシアに対する依存を増し、NATO大国をロシア側に惹きつけておき、ブリュッセルから相対的に引き離すための重要な糸になる。

 またロシアにとっては、シリアにおける長期的なトルコ軍事駐留を認めておらず、シリアの領土的分裂を目指さないという点で、合意は「お互いに満足」だ。実際、合意は正当にシリアの政治的統一と領土保全を犠牲にせずに、トルコの国益を確保することを規定している。それで「安全地帯」というアメリカ政策は、少なくとも今のところ事実上停止状態にある。

 同様に、シリアからのアメリカ撤退は全面的ではなく、アメリカはシリア油井を支配下に保持することを決めており、今アメリカの支配領域が縮小し、ロシアとシリアの支配下の領域が多種多様に増加している。これはシリアでは、これ以上軍事侵攻しないというロシアとトルコの合意のせいだけでなく、アメリカ部隊撤退のおかげもある。これはつまり、アメリカの突然の撤退によってもたらされた真空が、それらの地域にトルコ戦力がいない場合、ロシア軍の助けを借りたシリア軍に埋められていることを意味している。

 とは言え、トルコがシリア内で更に侵攻はしないにせよ、最近のイドリブ訪問時に、シリア領土を盗むのに熱中している「泥棒」とエルドアンを批判して歯に衣着せずに言わったアサドにとって、シリア内のトルコ軍事駐留は大きな問題のままだ。シリア体制に、シリアに対するトルコの軍事駐留について実情を打ち明けたというモスクワの主張にもかかわらずの、アサドの批判なのだ。

 ロシアにとって、トルコに対するシリアの批判は厄介ではない。一つには、シリア北部国境のほとんど3分の2を支配している事実から、トルコはシリアの最終的解決に向かって非常に強い立場にあるが、もしエルドアンがシリアの統一と領土保全に対する支援を確認し続けるなら、トルコはシリア領域のこのような広範囲を無期限に占拠することはできないことだ。

 だがロシアにとって、これは重大な問題ではない。シリア危機を終わらせる上で、地域の当事者間の一括交渉が平和への鍵になるはずなのだから。

 アメリカ軍駐留と、アメリカによるシリア油田「支配」は正当性に欠け、国際法の下で承認されていない。しかも、シリア軍は、アメリカ軍のシリアでの永久、あるいは更なる長期駐留を決して受け入れまいし、ロシアもそうだろう。アメリカ駐留は既に過去3年から4年の間にかなり縮小し、シリアの食物や農業やエネルギーの源を奪還しようとするシリア軍の全国的な動きを考えれば、米軍駐留は減り続けるだろう。

 結局「アサド辞任」という邪悪な計画を挫折させたのみならず、シリアでの「政権転覆」支援から、シリアの「領土保全」と「統一」を守ると誓うまで、政策コースを変えるようNATO諸国を成功裏に説得した点でも、勝利するのはシリアとロシアだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/31/syria-who-is-winning-the-end-game/

———-

 「石が流れて木の葉が沈む」今やお隣の国を遥かにこえる酷い状態。

日刊IWJガイド「名古屋市が『あいちトリエンナーレ2019』芸術監督の津田大介氏に法的措置を検討!? 民事・刑事両面で!?」2019.11.5日号~No.2609号~(2019.11.5 8時00分)

 IWJガイドには

はじめに~日本国憲法公布を記念した「文化の日」を植民地支配や侵略を肯定する「明治の日」に!? 賛同署名に100万筆が集まる右傾化日本の現実!

 とある。昨日転載させていただいた記事のように「田中正造の日」にして欲しいもの。

 昨日拝見したIWJ岩上氏による河かおる氏インタビューで示された写真で、韓国の方々の抗議集会の頻度・規模の多さ、大きさに感嘆。実際、権力者を何度も打倒している。韓国の方々の爪の垢を煎じてのまなければならないようだ。