日露LNG貿易の可能性

2019年10月25日
ドミトリー・ボカレフ
New Eastern Outlook

 液化天然ガス(LNG)は、炭化水素製品として現在、市場で最も有望な種類だ。燃える天然ガスは、大気に放出する汚染物質がより少ないため、伝統的な炭化水素燃料に代わるより清浄な選択肢として人気が高まっており、パイプライン敷設不要で、液化された状態で世界のどんな場所にでも容易に輸送できる。

 最近2009年、ロシアはようやく世界的LNG供給国になった。ロシアはLNG生産に関して世界中で既に6番目に位置している。だがロシアは、その膨大な石油とガス資源、先進的な技術で、世界のトップのLNG消費国、日本と中国と韓国への地理的な近さから、より大きな可能性を持っている。

 日本は世界最大のLNG消費国だ。日本は存続するために膨大なエネルギー必要とする富裕で、環境に配慮する国だが、島国として、パイプラインを経由して日本にエネルギーを供給するのは困難だ。過去日本は最大の原子力発電国家の一つだったが、2011年のマグニチュード9.0の地震が福島第一原発で悲惨なメルトダウンを引き起こした後、日出づる国は途方もない数の原子力発電所閉鎖を開始して、LNG輸入を飛躍的に増大させた。

 ロシアは日本にとって最も好都合なLNG供給国だ。2009年に営業開始したロシア最初のLNGプラントはサハリン島棚に膨大な量の石油とガス鉱床があるサハリン島にある。サハリン島は日本から、わずか43キロだ。日本企業はこのプラント建設で重要な役職を果たし、大いにサハリン鉱床を開発し、LNGを生産するサハリン-2プロジェクトに寄付している。

 サハリンエネルギー、サハリン-2プロジェクトを開発しているコンソーシアムの株主は日本企業二社(ロシア企業ガスプロムは筆頭株主)がある。(三井の子会社)三井・サハリンホールディングスB.V.が25%を所有し、三菱は20%を所有している。

 サハリンプラントが営業を始める前に、日本側は、三井によって建造されるLNG輸送用タンカー数隻を含むロシアのLNGプロジェクトに、30億ドル以上を迅速に投資した。投資は成果をあげた。工場の生産能力は年間960万トンのLNGで、日本は工場稼働初年度に約800万トンのLNGを受け取った。

 日本とロシアは続く10年間協力し続けた。2018年、ロシアは日本に33億ドル以上の価値、6.6千トン以上の天然ガスを供給し、オーストラリア、マレーシアとカタールに続いて、4番目に大きい日本へのLNG供給国になった。

 2019年の結果はまだ不明だが、2019年6月、日本は2017年に商業運転を始めた新しいロシア工場、ヤマル半島のヤマルLNGから最初のLNG送達を受けた。ヤマル半島はサハリンより日本からずっと遠く、ヤマルから日本へのLNG輸送の始まりで、完全に賄うには十分大きくないサハリン・プラントを凌ぎ、日露間貿易の大幅増加をもたらすことが想定される。LNGは北極海航路(NSR)を経由してタンカーで出荷される。

 簡単に触れておくと、NSRというのは大西洋を太平洋と結びユーラシア北海岸に沿って走る出荷航路だ。ロシア北極鉱床の製品を輸送、輸出するのに最も好都合な航路だ。

 2019年9月26日、LNG生産者・消費者年次会議が東京で開催された。LNG人気が高まり続け、世界LNG市場が急速に成長していることが会議で発表された。LNG関連プロジェクトに対する日本投資が世界で100億ドル達した日、ロシア企業NOVATEK(ヤマルLNGの最大株主)と日本の商船三井(上述した三井の一部)が、ロシアのカムチャッカとムルマンスク地域、すなわちNSRの最東端と最西端に、海上LNG積み替え複合コンプレックス建設のために協力することを確認して協力協定に署名した。LNGをヤマルから輸送するのは、ヤマルが北極圏にあるため困難で、普通のタンカーは適当ではない。極氷を突破可能な特殊な砕氷LNG油送船が輸送に必要だ。こうした船の操作と維持管理は非常に高価なので、理想的には、氷で覆われた危険な水域をこの船が通り抜けた途端、LNGは通常タンカーに移されるべきなのだ。LNGを移す積み替え地点建設は、ヤマルLNGのヨーロッパや、日本へのLNG輸送を含めアジア太平洋への出荷を遥かに容易にし、NSRの開発に寄与するだろう。

 ロシアのエネルギー・ウイーク国際フォーラム2019は、10月2-5日にモスクワで開催された。ウラジーミル・プーチン大統領がイベント参加者に演説した。彼が言ったことの一つは、LNGに対する増大する世界需要を評価し、それがロシアが北極圏で資源基盤を開発している理由だということだった。プーチン大統領は、現在ロシアは、世界LNG市場の約9%を占めており、シェアが常に増大しているとも述べた。ロシア大統領は、今後10年間、LNG部門は、世界ガス貿易の約50%を占めると考えている。ロシアはこれを考慮に入れて、北極エネルギー資源を開発し、北海海航路を発展させ、貨物船団を近代化し、エネルギー輸出に可能な供給経路の模索に尽力している。

 ヤマルLNGプロジェクトと、ロシアが、フランスや中国や日本と取り組んでいるArctic LNG 2プロジェクトのおかげで、世界LNG市場でのロシア・シェアが、2倍以上になったとプーチン大統領は述べた。ロシア大統領によれば、Arctic LNG 2プロジェクトは、年間更に2000万トンのLNGを生産することになっている。ロシアは2035年までに、年間最高1億4000万トンのLNGを生産することを目指している。

 締めくくりの言葉で、ウラジーミル・プーチン大統領は、低コストのガス生産と、都合な物流のおかげで、ロシアのLNGプロジェクトは世界で最も競争力があるものの一つであり、ロシアはLNG市場のその株の長期の増大を予想していると述べた。市場は、この製品を消費する国の数が増えるとともに成長している。

 LNGは世界的な石油・ガス市場で、最も将来性のある有望な部門で、ロシアはLNG市場リーダーの1つになる十分な可能性がある。これを実現する上で、日本との協力が重要な役職を果たすはずだ。

 ドミトリー・ボカレフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/25/opportunities-for-lng-trade-between-japan-and-russia/

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 連続辞任。口先「任命責任」連発。