崩壊の一目撃者

2019年10月4日
Paul Craig Roberts

 大変な恐怖が私を襲った。崩壊の速さを見ていると、欧米文明、あるいは、そのわずかな残り物より、私の方が長生きする可能性が高い。

 イギリス労働党ジェレミー・コービン党首は、希望者全員にイギリス国境を開放し、住宅やオフィスビルを没収して、彼らを収容すると公約することで、首相に選ばれる可能性があると考えている。これはもちろん、イギリスが、(ラスパイユが書いた)『聖人のキャンプ』と化することを意味する。これまで非常に多くのイギリス人が去っているので、コービンは、これが勝利の綱領だと考えているのだ。

 現在のフランス大統領もドイツ首相も欧州連合幹部も同じ考えだ。ヨーロッパはなくなる。ハンガリーとイタリアとポーランドだけが反対して、ハンガリー人、ポーランド人、イタリア人のままでいると強く主張している。

 悲しいかな、アメリカの民主党もコービンと同じ意見なのだ。彼らがトランプを弾劾したがっている理由の一つは、彼が行政府の長として、民主党の反対にもかかわらず、アメリカ移民法を施行しようとしていることだ。

 今の民主党の連中は、今のCEOや取締役会の連中とそっくりだ。連中は短期的にしか考えない。彼らには、今手に入れることができるものが、重要な全てなのだ。アメリカの雇用をもっと海外に移転し、労働ビザで外国人を雇い、国境を開放して、安価な労働力で、民主党員に投票する移民を入れるのだ。こんにちは、業績連動賞与、さようなら、アメリカ。

 だが短期的傾向を、長期的なものに延長すれば、第三世界からの移民が国を所有することになる。民主党と、アメリカのリベラル派/革新主義者/左翼のイデオロギーであるアイデンティティ政治が教え込む白人憎悪と、過激フェミニストが教えこむ男性憎悪は、は大量虐殺と完全な社会崩壊を暗示している。それは余りに急速に起きているので、それが実際に起きるのを見ることになるだろうと私は信じている。

 例えば、9月30日の私の記事「Feminism Has Ruined Women and Damaged Men(フェミニズムは、女性を破滅させ、男性を傷つけた)」は「あなたの言う通り!」と同意される多くの男女から手紙を頂いた。かつて、女性に対し、結婚と母性の代替案を与える運動だったフェミニズムが、夫婦間の同意性交さえ強姦だと、男性をイデオロギー攻撃するものになったと多くの人が言っておられる。

 子供に親を支配する権力を、政府に家族を支配する権力を与える、児童虐待法があるのと同様、今やアメリカには妻に夫を支配する権力を与える「夫婦間レイプ」法がある。

 フェミニズムが本質的に男性と女性の関係を破壊したのだ。フェミニズムは女性を利己的にした。男性に対する感情的や他の影響と無関係に、彼女たちは、したいことをする。もし男性が不平を言えば、女性は、彼は性的差別的で、協力的ではない証明だと考える。女性は自分の腟のおかげで、したいと望むことは、何でもできると思っている。女性は彼女らの力で、セックスのために男性に何でもさせることができると教えられる。それは事実ではない。イギリス人が「放蕩者」と呼ぶ少数の女たらし以外の男性は、相互に支え合う愛情関係を望んでいるのだ。

 私の現役時代、同性愛者は実在しないものだった。それは一角獣のような神話だと我々は思っていた。今日、同性愛は激増している。同性愛の異例の増加は、女性をあきらめた男性たちのためでないと、一体どうすればわかるのだろう?

 近頃、女性は実に信用できないので、自社の男性幹部を女性従業員による虚偽のセクハラ告訴から守るため、企業は保険を支払わなければならない。社員が団体で出張する際、男性と女性の従業員は別のホテルに宿泊しなくてはならず、男性従業員は、女性従業員と夕食には行かない企業規則が制定されている。男性従業員は、どのように自身を性的ハラスメント告訴から守るべきかのセミナーに参加しなければならない。女性が「ガラスの天井」を突破するのを支援して、結果的に組織のエネルギーの流れを逸らせてしまう果てしない#Me/Too問題を生んだのは実に愚かだったと、CEOや役員から聞かされた。

 もちろん、女性に色情を催して不適切な振る舞いをする男性も一部いる。私の現役時代、それは平手打で処理された。男を抑制しておけないのは、現代のフェミニスト女性だけに過ぎないように見える。

 民主党下院議員は、自分たちに、いかなる犯罪の証拠もなく、上院が有罪にする可能性がない事実を知りながら「弾劾調査」を行っている。そのうち何かかがトランプを閉口させ、再選可能性を減らすのを願って、自分たちが、彼をけなしているのにすぎないのを民主党下院議員は知っている。

 ウクライナ大統領が、代償と引き換えに、便宜を図るように言われたという容疑について言えば、ウクライナ大統領に、言われた通りにするのに、6時間の猶予を与え、さもないと、アメリカ税金10億ドルを没収すると言ったのがバイデンだった記録は極めて明確だ。バイデンは外交問題評議会CFRで自慢した。自慢をビデオ撮影したものが残っている。私はそれを投稿した。それはインターネット中いたる所にある。ウクライナ検事総長本人が、バイデンの命令で解雇されたと宣誓して証言している。腐敗した会社を彼の父親が保護するのと引き換えに、バイデンの息子が、そこから莫大な金額を得ていた企業を検事総長は調査していた。証拠は明確だ。

 だが、メディア、特にCNNとNPRから、我々は一体何を聞かされているだろう? バイデンの容疑は政治問題に過ぎないが、証拠が立証されていないトランプの容疑では、トランプ弾劾が必要だと我々は聞かされるのだ。

 ここで民主党丸ごと、メディア丸ごと、真実を否定し、民主党大統領候補に投票する十分な無頓着な人々を説得するための果てしないウソの繰り返しに頼っている。当選すれば、民主党はコービン綱領を採用し、アメリカ人は『聖人のキャンプ』味わうことになるだろう。

 かつてアメリカとイギリスは、市民的自由、個々の良心、言論の自由、キリスト教の倫理的価値観と法による統治が根付いた「自由な国」だった。もはやそうではない。

 あるイギリス裁判所が、身長182センチのあごひげを生やした男性を「マダム」と呼ぶのを拒否したのを、「トランスジェンダーに対する配慮の欠如」は「人間の尊厳と相いれず、他の人々の根本的権利に反する」と非難して、このイギリス人医師を解雇した。https://www.rt.com/uk/470190-transgender-bible-doctor-fired-uk/

 言い換えれば、より尊重されている他の人々の考え方が、彼の考え方より優先されるので、医者には自分の考え方や意見を持つ権利がないのだ。

 欧米全体は、ますますそうなりつつある。

 もし、イギリスにおける調査ジャーナリズムの完全消滅と、アメリカにおける消滅寸前状態を不思議に思われるなら、調査ジャーナリストは、イギリスの国家安全保障に対する脅威だとして挙げているイギリス国防省のこの文書をお読み頂くだけで十分だ。https://russia-insider.com/en/society/uk-ministry-war-says-investigative-journalists-among-top-threats-right-there-spies-and

 今や報道の自由は、国家安全保障とは両立しないと考えられているのだ。

 だからジュリアン・アサンジとマニングの運命は決められている。最近カレン・クヴャトコフスキーが言った通り、今や”逃げるべき!”時期なのだ。https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/03/the-treatment-of-julian-assange-proves-that-there-is-no-law-moral-conscience-or-civilization-left-in-the-west/

 だが一体どこに? 欧米いたる所、同じ状態だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/04/a-witness-to-the-collapse/

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 伏魔殿追求中継、外出のため見損ねた。今日の代表質問は見る予定。野党質問はまともでも呼吸するような放埒な怪答しかないのはわかっている。

植草一秀の『知られざる真実』 臨時国会徹底追及対象の関電・かんぽ・FTA

 夜は『岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー』を拝見予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より、『岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー』の『第2回 「元徴用工」問題編』を、冒頭のみオープンで、その後は会員限定で録画配信いたします! 日韓関係悪化の『起点』となった問題の真意は何か!? 明らかにします!」2019.10.8日号~No.2581号~(2019.10.8 8時00分)