NHK抜本改革が必要不可欠であるという真実

植草一秀教授からの情報です。


 

「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が参議院議員に当選し、同党が政党要件を獲得したことを契機にして、NHK問題に対する主権者の関心が高まっている。

本ブログ、メルマガでは4月25日付記事に

「御用NHKが震撼「NHKから国民を守る党」大躍進」
https://bit.ly/2vkm2n9

「御用機関に成り下がる「NHKをぶっ壊す!」」
https://foomii.com/00050

を掲載した。

NHKが「公共放送」としての役割を果たしているなら受信料徴収の義務化はあり得ない選択ではない。

英国のBBCは公共放送と位置付けられ、受信料支払いは義務化されている。

しかし、日本のNHKは「公共放送」ではなく「御用放送」に堕している。

このNHKの受信料支払いの義務化は適正でない。

現状を是正するには二つの方法がある。

第一は、NHK放送を適正化すること。

そのためには、NHKのあり方を定めるを放送法を抜本的に改正する必要がある。

第二は、NHK放送をスクランブル化することだ。

NHKと受信契約を締結した人だけがNHK放送を視聴できるようにする。

つまり、NHKとの受信契約締結を「任意制」に移行させるのだ。

日本国憲法は基本的人権を財産権として保障している(第29条)。

同時に、思想及び良心の自由を保障している(第19条)。

NHKとの放送受信契約を強制し、受信料支払いを強制することは違憲である疑いが強い。

最高裁が合憲の判断を示しているが、最高裁自体が政治権力の支配下に置かれており、最高裁の判断が法理上の絶対基準にはならない。

私たちは裁判所判断を「一つの判断」として相対化する必要がある。

戦後民主化の過程で、抜本的なNHK改革が試みられた。

このNHK改革が実現していたなら、NHKの御用放送化は防げたはずである。

日本の戦後民主化が実行されたのは1945年から1947年前半までの1年余の極めて短い期間だった。

この短い期間に日本国憲法が制定された。

その憲法が施行されたときには、すでにGHQの占領政策の基本方向は転換していた。

いわゆる「逆コース」に転換したのである。

NHK改革の根幹は、NHKを政治権力から切り離すことだった。

しかし、この改革は中断され、結局、NHKを政治権力の支配下に置く法体系が整備された。

この法制化を実現したのが吉田茂内閣である。

NHK法体系のどこに問題があるか。

根幹は二つだ。

第一は、NHKの人事権が政治権力に握られていること。

第二は、NHKの予算承認権が国会に置かれていること。

これが、NHKが「御用放送」になる必要条件だ。

しかし、これだけではNHKは「御用放送」にならない。

十分条件が必要だ。

それは、内閣がNHKを支配する意思を持ち、権力を濫用することだ。

安倍内閣はこの十分条件を満たし、結果として「あべさまのNHK」が形成されている。

したがって、放送法を改正して、NHKを政治権力から切り離すことがひとつの対処法になる。

NHKを「公共放送」の担い手として存立させるには、この方法を採るしかない。

しかし、現状ではその法改正はまったく道筋が立たない。

そうなると、二つ目の方策が候補になる。

それは、NHK放送をスクランブル化することだ。

災害などの緊急時に必要な放送をすべての国民に提供することが求められるなら、災害発生時などの特別な状況下ではスクランブルを外して、すべての受信機器保有者が放送を受信できるようにすればよい。

NHK放送のスクランブル化は合理性を備えた提案である。