欠陥機737 Max 8のコスト削減のためボーイングはソフトウェア開発を外注

ブライアン・ダイン
2019年7月3日
wsws.org

 ブルームバーグによる新たな報道で、巨大航空宇宙企業ボーイングが、経費削減策の一環として、737 Max 8のソフトウェア開発を、大学新卒者たちに時給わずか9ドルで外注したことを明らかになった。ライオンエア610便と、エチオピア航空302便という二機のMax 8の致命的な墜落事故で、総計346人の生命を奪ったのは、飛行機の「致命的に欠陥がある」ソフトウェアだった。

 社外でソフトウェア開発するボーイングの決定は、2001年以来、35,000の雇用を減らした広範な経費削減活動の一環だ。これは航空宇宙大手の上級経営責任者として就任最初の二年に、20,000人以上の従業員を切ったデニス・ミレンバーグ会長兼最高経営責任者(CEO)の下で加速した。

 737 Max 8きのものが、同社とその経営者の利益を増やすためのボーイングの決定の一つだ。飛行機は、より高い燃料効率と、パイロット訓練時間短縮のおかげで、エアバス320neoより安い選択肢だと宣伝され、開発された。この主張を実現するため、同社は50年来の737の機体を選び、より大型なエンジンを取り付けたため、飛行機はピッチアップ(急激な機首上げ)や失速しやすくなった。

 新エンジンを搭載するために機体デザインを適切に設計し直すのではなく、ボーイングは、おそらく二件の墜落の原因となった可能性が高いソフトウェアManeuvering Characteristics Augmentation System操縦特性補助システム(MCAS)を外注した。それはパイロット・マニュアルでは言及していない(飛行機のソフトウェア基準に従わず、複数ではなく)一個の迎角センサーを、飛行機を自動的に下方へ向かせるために使い、それが、究極的に、二件の致命的な墜落を引き起こした。

 報告に応えて、ボーイングは即座に、インド企業HLC技術社に雇用された請負業者は、MCASシステム開発には関与していなかったと主張した。同社は、連邦航空局に暴露され、Max 8の証明書更新を少なくとも3カ月遅らせた、より最近のソフトウェア不具合に対する彼らの関与も否定した。

 これらの声明は額面通りには受けとれない。ボーイング自身、システム開発を請負業者に任された可能性を示唆しており、Max 8にとって、MCASが重要なシステムだと思っていないのだ。さらに元ボーイング従業員で、2017年にレイオフされたエンジニア、リック・ルーディックが述べているように、ボーイング自身のソフトウェア・エンジニアのコストに触れ、ここで我々は非常に高給なので「仕事をプージェット・サウンドから移動する」ことを含め、Max 8を急いで製造できるようにすべく同社はあらゆることをしていた。

 もう一つのコメントで、元ボーイング・エンジニアのマーク・ラビンが、ソフトウェアのさらなる開発は必要でないから、2015年に「部屋一杯に、数百人の大半が上級のエンジニアが集められ、我々は必要とされないと言われた」ことを指摘した。

 ボーイングにとって、HLCとの契約には金融上の恩恵もあった。2005年、ボーイングによるHLCを含めたインド企業への17億ドル投資と引き換えに、インド航空から110億ドルの注文を得た。これは急速に拡張するアジア航空宇宙市場でヨーロッパを本拠とするライバル、エアバスとの市場占有率を巡るボーイングの進行中の戦いで重要な一歩だった。

 ボーイングのソフトウェア開発慣行についての暴露は、飛行中にリチウムイオン電池が火事を起こした後、2013年に運航停止にされた同社の前の主力航空機787ドリームライナーに対する拡張された司法省調査についての新報道と同時だ。二件の墜落の再検討に加え、連邦当局は、サウスカロライナ州チャールストン郊外の製造工場での「典型的な不正行為」と経費削減報告を調査している。

 これらボーイングが工場の労働者に押し付けた生産の熱狂的なペースから、エンジン内の片づけられていない破片やが置き残された道具を含め、安全管理の不行き届きを起こしている。数機の飛行機で、コックピットと操縦装置配線の近くで飛行中の制御喪失の危険がある金属裂片が発見された。ドリームライナーは一度も墜落したことはないが、あるボーイング内部告発者の言葉によれば、この種のミスは「壊滅的」になる可能性がある。

 もう一つの新事実は、自動的に消火するよう設計されたスイッチが、時々故障するという警告をボーイングが公表することを強いた、ドリームライナーの重要な消火活動機能が常に機能するわけではないという発見だ。「航空機の火事が制御できなくなる可能性がある」という政府機関の警告にもかかわらず、航空会社が月に一回スイッチが働くのを確認するのを命令するだけで、飛行機を飛行停止にする命令を出さなかった。これは、人命よりも、ボーイングの利益を優先して、FAAが行った選択の長大なリストの一つだ。

 787調査は、おそらく、いかなる重要な結果も産み出さない可能性が高いが、ボーイングの前の重要資産の航空機に対する、いかなる脅威も、ダモクレスの剣のように、航空宇宙大手企業に差し迫っている。2011年の787-8、-9と-10の発表と開発以来、同社は840機の飛行機を製造し、1,441機を受注している。全てのMax 8の注文が破棄された場合の、920億ドルの潜在的損失だけでなく、もし787の全注文がキャンセルされれば、同社は売上高でおよそ4000億ドルを失うだろう。いずれかのシナリオが現実となった場合は、ボーイング破産のまさに本物の危険がある。

 このような恐怖は、確実に、ボーイングの指導体制とその株主の間で広まっている。エチオピアの航空会社の墜落以来、同社の株は20パーセント下がり、企業価値が470億ドル以上減り、飛行制限で、これまでのところ更に10億ドル以上費用がかかっている。会社の嘘と怠慢に対する賠償金を要求する、株主、パイロットと墜落事故犠牲者家族による三つの集団訴訟が、ボーイングに対して開始された。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2019/07/03/boei-j03.html

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 不沈空母は宗主国のハワイ防衛のために、秋田に、グアム防衛のために、山口にイージス・アショアを設置する。空母はの二地点は標的になるが、宗主国のためなら高い買い物も喜んで。問題の飛行機は注文しているのだろうか。

日刊IWJガイド・土曜版「秋田県に続き、安倍総理のお膝元である山口県でもイージス・アショア配備に反対の声が高まる! 岩屋毅防衛相が配備候補地に関する調査報告書の誤りを謝罪するも、山口県阿武町の花田憲彦町長は『町をあげて反対している状況は全く変わっていない』と批判!」 2019.7.6日号~No.2487号~(2019.7.6 8時00分)