「不沈空母」ディエゴガルシア浸水

2019年4月15日
Conn HALLINAN
CounterPunch.com

 ディエゴガルシアに巨大アメリカ軍基地があるチャゴス諸島が、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国(イギリス)に不法に占領されているという、ハーグに本拠を置く国際司法裁判所による最近の裁定は、北京からリヤドに及ぶ一ダースの国々の長期戦略作戦計画をひっくり返す可能性を持っている。

 長さわずか60キロしかない、ちっぽけな島のわりに、ディエゴガルシア島は極めて重要だ。時にワシントンの「不沈空母」と呼ばれ、この島を本拠とする飛行機や軍艦が、第1次と第2次湾岸戦争やアフガニスタン侵略やリビア戦争において不可欠な役割を果たした。アフリカとインドネシア間にあり、インドから1,600キロ南にある要衝はアメリカが中東や中央アジアや南アジアや巨大なインド洋に容易に行けるようにしている。石油タンカーも軍艦もいかなる航空機も、ディエゴガルシア基地に関する知識なしでは動けない。

 ほとんどのアメリカ人は、当然の理由で、ディエゴガルシアについて一度も聞いたことがない。ジャーナリストは、30年以上上陸を許可されておらず、国防総省は基地を国家安全保障の繭に包まれたままにしている。実際、1966年に、イギリスはイギリス議会にもアメリカ議会にも知らせずに、アメリカに基地を賃貸したのだ。

 2月25日の判決は、独立前の植民地の分割を禁止する国際連合決議1514に、イギリスが違反したと裁定することで、その全てを損なったのだ。イギリスは、イギリスが1968年に独立させたアフリカ南東海岸にある旧植民地モーリシャス共和国からチャゴス諸島を折り取ったのだ。当時、モーリシャスは、反対したが、イギリスが独立させるという申し出を撤回すると脅した後、いやいやながら同意した。

 裁判所は、13-1で、イギリスは「不法行為」をしており、「できるだけ早く」チャゴスを独立させなくてはならないと裁定した。

 インド洋での「グレート・ゲーム」

 判決は「勧告」にすぎないが、アメリカや同盟国が、ロシアのクリミアや中国の南シナ海で不法占拠だとするもので対決したり制裁したりしている中、出されたのだ。

 訴訟は、モーリシャスと、強制的に1973年に群島から排除された1,500人のチャゴス島民の一部によって起こされた。アメリカは、島を「消毒する」と言って、チャゴス島民を1,600キロ以上離れたモーリシャスやセーシェルに移動させ、以来彼らは貧困に悩みながらずっとそこで暮らしている。

 ディエゴガルシアは、地域におけるアメリカ戦略の要だ。巨大滑走路は、B-52、B-1とB-2爆撃機や巨大なC- 5MやC-17やC-130軍用輸送機に対応できる。礁湖は空母に対応可能な軍港に変えられた。アメリカは、ファーストフード店やバーやゴルフコースやボーリング場で充実した街を築き、約3,000人から5,000人の軍人と民間請負業者を擁している。

 先住チャゴス島民を見いだすことは不可能だ。

 インド洋は、片やインド、アメリカと日本と、片や中国や他の国々の拡大するプレゼンス競争の主要舞台になった。モルディブ諸島と、スリランカ、特にこれら島嶼国で港湾を使う中国の取り組みを巡り、インドと中国間で緊張が広がった。最近インドは、中国エネルギー資源の約80パーセントが毎年通過するスマトラとマレーシア間の戦略上重要なマラッカ海峡封鎖をモデル化した海上軍事演習マラバル18で日本とアメリカと連携した。

 演習の一部には、南シナ海からインド洋に移動している中国潜水艦を探知するのを目指す対潜水艦作戦もある。北京にとって、これらの潜水艦は、アフリカ東海岸で、南中国からポート・スーダンに至る、中国に友好的な一連の港町を守るのに不可欠だ。中国の石油とガスの供給の多くは、紅海の入り口である狭いマンデブ海峡と、石油に富んだペルシャ湾のへのアクセスを支配するホルムズ海峡を通過するため脆弱だ。アメリカ第五艦隊が両海峡を支配している。

 トランプ政権が、アメリカ国家安全保障の焦点を、テロから「大国間の競合」すなわち中国とロシアに変えて以来、地域での緊張は高まった。アメリカは、中国軍艦を受け入れできるパキスタンのグワーダルや、スリランカのハムバントータなどの港町を占領して、インド洋に強引に道を通したと言って中国を非難している。

 中国が、1962年の国境戦争に溯るという状態で、それ自身の問題を抱えるインドは対潜水艦部隊を増やして、深海の海軍を増強している。最近ニューデリーは同様に、中国深く攻撃するのを狙ったアグニ -V長距離ミサイルを加え、ナレンドラ・モディの右翼政権は益々アメリカ軍と親しい。ニューデリーに敬意を表して、アメリカは地域軍の組織名を「太平洋軍」から「インド -太平洋軍」に変えさえしている。

 中国に友好的なこれら港湾のための表現「真珠の首飾り」は、国防総省請負業者ブーズ・アレン・ハミルトンが造り出したものゆえ、眉につばを付けて聞くべきだ。中国は本当にそのエネルギー供給を確保しようとしており、港湾を世界的な一帯一路構想貿易戦略の一環として見ている。だが「真珠」に、19世紀の植民地連合の根拠地に似た軍事的役割があると想定するのは大げさだ。もし戦争が起きれば大部分の港は守れないのだ。

「歴史的」決定

 ディエゴガルシア島は、ソマリアでのアメリカの戦争、イラクとシリアでの航空攻撃とペルシャ湾の支配にとって中核的役割を果たしており、イランとのいかなる対立にも不可欠だろう。もしサウジアラビアとイスラエルとアメリカのイランに対する現在の敵意が、実際に戦争を意味することになれば、島は文字通り航空母艦になるだろう。

 戦略上重要な中心というディエゴガルシアの条件を考えると、アメリカが島を放棄する、あるいはイギリスが、ワシントンとの協定を撤回し、チャゴス諸島を独立させることをと想像するのは困難だ。2016年、ロンドンはアメリカへの貸借を20年延長した。

 モーリシャスはチャゴス諸島を取り戻したいと思っているが、現時点では基地に反対していない。それは確かに莫大な賃貸料と、最終的に島嶼を取り戻す権利を望んでいる。

 モーリシャス、ディエゴガルシアで起きることに関し、より多くの支配を欲している。例えば、イギリス政府は、アメリカが、アフガニスタン戦争と、2002年から2003年までのイラク戦争で、捕獲された人々の、「囚人特例引き渡し」経由地として島を利用していたことを認めたが、その多くは拷問にかけられた。拷問は国際法違反だ。

 チャゴス島民は帰島を望んでいる

 ディエゴガルシア島は、地域でアメリカ軍と情報収集活動のため非常に重要だが、南極大陸以外あらゆる大陸上約800ある米軍基地の一つに過ぎない。それらの基地はアメリカ軍が地球全体で約177の国に顧問や特殊部隊を派遣するのを可能にする世界ネットワークを形成している。それら部隊は、瞬時に危険になり得る緊張を引き起こしかねない。

 例えば、現在ロシアを取り巻くほとんどあらゆる国にアメリカ軍要員がいる。ノルウェー、ポーランド、ハンガリー、コソボ、ルーマニア、トルコ、ラトビア、リトアニア、エストニア、ジョージア、ウクライナ、ブルガリア。更に、定期的に軍艦を黒海に派遣する地中海の第六艦隊がそれに加わる。

 ほぼ同じことが中国に関しても言える。アメリカ軍は、太平洋では、韓国、日本とオーストラリア、そして多数の島々に配備されている。ハワイと横浜に本拠を置くアメリカ第七艦隊はアメリカ海軍で最大だ。

 3月下旬、アメリカ海軍と沿岸警備隊艦船が台湾海峡を横断したが、公海ではあっても、中国は不必要な挑発だと感じている。同様にイギリス艦船が、中国に占領された南シナ海の砂洲と島の付近を航行した。

 チャゴス諸島を独立させる戦いは、国連議会に移るだろう。結局イギリスは総会や裁判所を無視するかもしれないが、そうするのに十分信用可能な主張をするのに困苦を極めるだろう。イギリスがチャゴスに対する国際司法裁判所を無視しながら、クリミアや南シナ海で国際法を支持して議論するのを可能にするには、いささか巧みな行動が必要だろう。

 一方、モーリシャスのプラビンド・ジュグノート首相は裁判所判定を「歴史的な」、最終的に6,000人の先住チャゴス島民と子孫に「家に帰ること」を可能にするものだと呼んだ。

記事原文のurl:https://www.counterpunch.org/2019/04/15/diego-garcia-the-unsinkable-carrier-springs-a-leak/

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 アンダーコントロールだなどと、とんでもないたわごとを言っても非難されず、現地にいったら鼻血が出たという体験を語るだけで袋叩きにするネトウヨ大国。大手出版社の電話を使えなくするほどの組織的活動には、本格的な黒幕がいるだろう。

 雁屋哲の今日もまた
 奇怪なこと

 モーリシャスは、ディエゴガルシアの奪還を目指しているという。
 一方、世界最大の属国は、列島まるごと不沈空母なのが自慢だ。ブラックボックスの戦闘機が墜落しても、大統領を招いて、その戦闘機を搭載する空母をご覧に入れる不思議な属国。
 宗主国から敵扱いされている国の大統領が、宗主国トップのご夫人誕生祝いにかけつける傀儡ポチに、領土を引き渡す可能性などないだろう。国民にさえ丁寧にウソをくりかえす御仁に島を渡したら、何に使われるわからない。ポチが忠実なのは、ご主人だけだ。そんな危険なことをすれば、大統領は、売国奴として、国民に追いだされるだろう。

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