アメリカはもはや国ではない

2019年4月10日
Paul Craig Roberts

 私が育ち、成人初期の人生を暮らしたアメリカは国だった。人生の間に私は自分の国がバベルの塔に変わるのを見た。均質性と共通の価値観のおかげで、我々がお互いに理解し合うのが可能だった。これは画一的だったり、ものごとが完ぺきだったりしたのを意味するわけではない。バプテストはカトリック教徒ではなかった。アングロサクソン系の白人プロテスタントは黒人労働者ではなかった。女性は男性ではなかった。黒人と貧しい白人は中産階級になるのに苦労したが、それは実現可能だった。中産階級の人々が「裕福になる」のは可能だったが、金持ちになるのは困難だった。移民は制御されていて、流入の縮小が、アイルランド人やイタリア人が社会に融け込むのを助けていた。

 警察は助けになり、銃を連射しながら家に突入したり、交通遮断で人に暴力を振るったりしなかった。重要な問題に関しては妥協ができて、改革が実行され。 英語が言語だった。サービスプロバイダのガス・水道・電気や銀行に電話をかければ、素早く、電話の内容を何でも処理できる生身の人と話せた。今ではロボット音声スペイン語オプションが電話の理由に関係している選択肢をリストするのを聞かされる。顧客にサービスコストを押しつけて、企業は金を蓄え、利益を生んでいる。

 技術は社会機能を悪化させたように思われる。多様性と多文化主義は確実にそうしている。良い礼儀が、立腹したり、人を立腹させたりするのを防いだものだった。今日では、感情を害されたと言う権利を与えられている集団のメンバーは、どんな弁解でも侮辱ととる準備ができている。今日、白人や男性は、自分がしたり言ったりしたことが攻撃的だったと意図せず、あるいは知らないまま、容易に人の気を悪くさせるのだ。

 多様性と多文化主義が、アイデンティティ政治に肥沃な場を提供している。アイデンティティ政治は白いもすべてを人種差別に変えることに成功した。今では、本当に「白」という単語は人種差別主義者の婉曲表現だ。欧米文明と科学自身も白人支配のメカニズムとして説明される。先日黒人女性大学教授が時間が白いと宣言した。彼女は黒人が遅刻しがちな傾向は、時間も、白人による人種差別的な概念に過ぎなかったという事実に帰せられると説明した。黒人を遅刻させるから、時間は白いのだ。

 アイデンティティ政治によれば、白人に責任があるのだが、証拠はそれとは逆だ。大学入学や雇用や昇進で、白人のための割り当てはない。行列の先頭に行けるのは虐待されたとされる「優遇される少数人種」だ。白人にはヘイト・スピーチやヘイトクライムからの保護がない。白人は刊行物で、ありとあらゆる言葉で罵ることができ、謝罪要求や違反者を解雇させる権利や権限を持っていない。白人DNAは「嫌悪をおぼえるもの」だと宣言され、白人は「存在するべきではない」のだ。アメリカで今日出世する方法は被害者だと主張することだ。ユダヤ人はこの専門家で、黒人や女性や不法入国者が同じ手口を学んだ。

 大学教育は白人をすべての悪事の源として説明する。これは特に女性研究、あるいはフェミニスト研究からの発展に思われる黒人研究と性研究と呼ばれるものに当てはまる。女性や黒人に低い成績を与える白人男性教授が、何らかの非難をされるかもしれないと思うことあり得るが、黒人やフェミニストの教授から低い成績を点けられた白人男性は、同じようなことは期待できない。

 白人がまだ大多数の米国の人口を構成しているが、常におとしめられるのは多数派である社会の結果はどうなるのだろう? いまだに軍の根幹を成している白人男性が、女性や「優遇される少数人種」より容易に脅かされてことは何を意味するだろう?

 白人が少数派になった時、何十年間も白人に対する憎悪を教えられた人々が新しい多数派になった時、彼らの運命はどうなるのだろう?

 アメリカ人の心には、リビア人、イラク人、シリア人、アフガニスタン人、イエメン人、ソマリ族に、何十万人もの生活を破壊したのを詫びることを決して思い浮かばないのに、ちょっとした言葉や用語を「攻撃的だ」と見なす連中に、アメリカ人躍起になって誤るというのは何を意味するのだろう? この断絶は深刻だ。爆弾ではなく、言葉に傷つけられるのだ。さらに今攻撃だと言われている言葉が、誰も気を悪くしなかった時代を私は覚えている。起きたのは、人々が言葉を攻撃と見なすようを教えられたのだ。他に一体どうして「少女たち」が攻撃的になれようか? アイデンティティ政治は毎日更なる攻撃の言葉を見つけだす。まもなく白人は口を開くことができなくなるだろう。言語自身が機能しないようにされている。通信手段が機能しなければ、社会がどうして機能的できよう?

 アイデンティティ政治は分裂を作り出した。分裂は国民国家の対照だ。

 「白人優越論」と戦うふりをして、白人に対する憎悪を教えるのを専門にする多くの集団がアメリカにある。新顔はジョージタウン大学のユダヤ文明センターだ。ジョージタウンはカトリック大学か、過去はそうだった。人はカトリック文明センター、あるいはジョージタウンはアメリカにあるのだから、アメリカ文明センターを期待するかもしれない。だがそれはユダヤ文明センターなのだ。誰が資金調達をするのだろう? なぜ「極右」に熱心なのだろう? なぜジョージタウン大学にあるのたろうか?

 4月10日、ジョージタウン大学ユダヤ文明センターは、ナチのテクニックをユダヤ人と黒人を攻撃するのに使っている非ユダヤ人白人に対する反対をあおるため、ナショナル・プレスクラブで丸一日宣伝セッションを主催したと報じられている。言い換えれば、ユダヤ文明センターは、まさに非ユダヤ人白人に対し、白人反ユダヤ主義者がユダヤ人や黒人にしているとセンターが主張することをしているのだ。「会議」は「極右の憎悪と反ユダヤ主義という新しい生態系に我々はどう対処するか?」に焦点を合わせた。

 我々はすべて「極右」が何かを知っている。白人で、一つの集団として「白人優越論者」に塗り替えられている。極右は、黒人や他の人種には適用されない単語だ。

 ジョージタウン大学パレスチナ文明センターが「イスラエルにおける憎悪と反パレスチナ主義の生態系」と戦うため、ナショナル・プレスクラブで丸一日催しを主催したと想像願いたい。センターはオルタナ右翼と一緒くたにされ、憎悪と反ユダヤ主義を促進したと非難されるはずだ。

 あるいは外国での兵役を退役したアメリカ人が、アメリカ外交政策センターを組織して、ネタニヤフが自慢して、彼の要請で、トランプがイラン政府の大きな一部、イラン革命防衛隊をテロ集団と名指ししたのを明らかにした、アメリカに対するイスラエルの支配を批判したと仮定しよう。https://news.antiwar.com/2019/04/08/netanyahu-says-trump-named-iran-guards-a-terror-group-at-his-request/ センターは、反ユダヤ主義言説のかどで非難されるだろう。

 自身の外交政策を持つことができない時、その言語の言葉が禁止される時、被害者集団とされる人が、多数派とされるものより多くの権利を持っている時、分裂を引き起こすために憎悪が使われる時、どうしてそれが国だろう?

 アイデンティティ政治は、アメリカをばらばらな断片にして壊すために使われるイデオロギーなのだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/04/10/america-is-no-longer-a-nation/

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 昼の痴呆茶番、全く見なかったが、夜の番組も酷かった。宗主国トップがおいでになり、千秋楽に、土俵の上で贈呈式をされるするという。どこにお座りいただくか協議中だという。横綱が負けて、ざぶとんがあたってはいけないと。写真まで出した。墜落した戦闘機の類形を搭載し本格的空母化予定の「いずも」をご観覧になる。欠陥戦闘機を必ず爆買いしろ、という恫喝だろうに。オーストラリア牛肉がTPPのおかげで安くなって大人気。アメリカ様はそれを快く思っておられず、どう個別交渉FTAで対応するかが問われているとぬかした。これまで、本格的なノーなどいったことなどないだろう。そもそもTPPそのものも恫喝されてはいったのが始まりだろうに。選挙公約を公然とひっくり返して。そして、WTO敗訴のダメージ・コントロール。日本は勝っている。まさに大本営発表。
 三つの番組を見たが、当然ながら、アサンジについては、いずれも全く触れなかった。
 昨日翻訳掲載した彼の記事「不正の時代」の通り、属国では、マスコミなるものにも傀儡政権にも、品格は全く存在しない。
 属国呆導企業、大本営広報部というのは、ほめすぎかも知れない。占領地宣撫班。洗脳部隊。

 今の破壊しかしない政治を改めるのに、経済政策は極めて重要。だから、下記論点、大変気になっている。

日刊IWJガイド「本日午後7時より『山本太郎議員の師・松尾匡教授は国債の売りオペでインフレを抑えられると主張! しかし、国債価格の暴落に伴う金利上昇で財政破綻のリスクが!?~岩上安身による田代秀敏氏インタビュー2019.3.5』を再配信!」 2019.4.13日号~No.2403号~(2019.4.13 8時00分)

 『アベノミックス批判 四本の矢を折る』という徹底批判の名著(是非お読みねがいたい)の著者、伊東光晴京都大学名誉教授が、岩波書店の月刊誌『世界5月号』で「アベノミクス 病理の淵源」を書いておられる。文中で明石順平氏にも言及されている。