タイ選挙後、新たな反中国傀儡を見いだした欧米

2019年4月8日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 欧米の政治的介入はまた一つの深刻な敗北を喫した。今回は東南アジアのタイで。

 人口7000万人、東南アジアで2番目に大きい経済で、北京と一帯一路構想の重要な地域パートナーになっている国を、アメリカとそのパートナーは、3月に行われた選挙で、野党を権力の座につけようと努めた。

 だが軍とつながるバラン・プラチャラート党(PPRP)は、アメリカに後援される野党に、2001年に権力を握って以来の世論調査で最初の重大な敗北を与え、一般投票で勝利した。

 アメリカに後援されているタイ野党は、逃亡中の億万長者、前首相タクシン・チナワットが率いている。彼は一連の汚職事件や人権侵害や不法に権力を強固にする試みの後、2006年に権力の座から追放された。

 以来チナワットは、同様に、司法と軍の介入によって追い出されるまで、2011年-2014年首相として勤めた彼の妹インラック・チナワットを含め、一連の親族代理を通して権力の座に戻ろうと試みている。

 タクシン・チナワットはタイ貢献党の政党の他に「赤シャツ」として知られる強暴な街頭活動団体を維持しており、アメリカが資金供給する非政府組織(NGO)や「学生活動家」集団や欧米商業マスコミ全体による大規模な支持に補強されている。

 最近の選挙で、逃亡者の代理人として違法活動のかどで解散させられるのに対し、少なくとも一つの党を保持する戦略で、チナワットはその政治勢力を複数党に分けた。

 チナワットは、タイ貢献党の他、タイ国家維持党(タイ・ラクサーチャート党)、Pheu Tham党、Pheu Chart党と新未来党も立候補させている。

 アメリカは「新未来党」に「新」代理を見出した。

 タイ貢献党や、他の党は、代理として公然とチナワットに運営されていたが、新未来党は彼に指名された党ではないと主張しようと試みている。

 しかしながら、これは真実からほど遠い。

 (通常タナトーンと呼ばれる)億万長者タナトーン・ジュンルンルアンキットが率いる党は、それで舗装チナワットが権力に戻るお膳立てをすることになる、タイ軍の政治からの排除という同じ方針を推進するのみならず、文字通りチナワットのタイ貢献党の隣に党本部を設立した。党にはTRCが選挙に先行して解散した後、被指名者としてチナワットのタイ国家維持党(タイ・ラクサーチャート党)(TRC)が売り込んだ様々なチナワット支持派政治家がいるのだ。

 タナトーン自身亡くなった父親が蓄え、彼の母親が引き継いだジュンルンルアンキット財産の共同継承者だ。ジュンルンルアンキット家は長年チナワットと同盟していた。

 この家族が支配するマスコミが、何年にもわたり、チナワットと彼の政策の確固たる支援者役をつとめた。この支持を、今度は権力の座に戻ろうとするチナワットの試みを支援し、同じ欧米権益の政策を推進し、それから利益を得ようと拡張しているのだ。

 カナダのジャスティン・トルドー首相訪問や、しつこい政権転覆の張本人で戦争論者のジョン・ネグロポンテデイビッド・ぺトレイアスや、証明済みの独裁国サウジアラビアの代表アル=ワリード・ビン・タラール・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウード王子のような連中が議長を務めるコンコーディア・サミット会場での講演を含め、選挙に先だち、タナトーン自身、外国権益と外国の支援を得ようと懸命に努力した。

 タナトーンは、タイ-中国共同インフラ計画を巻きもどし、外国の干渉をかわす能力を損なうことになるタイ軍予算を削減するつもりだと繰り返し宣言している。いずれも長年ワシントンが探求してきた外交政策の夢だ。

 長年の大規模な欧米ロビー活動にもかかわらず、信頼性と人気が衰えているチナワットの支援に代わる選択肢として、タナトーンと彼の新未来党に対する欧米商業マスコミの一致団結した支持を見ても驚くべきではない。

 タナトーンの新未来党は、軍とつながるPPRPとチナワットのタイ貢献党に続く第3党だ。それにもかかわらず、この党は、不可解にも、不釣り合いな想像上の権限を欧米マスコミから与えられている。タナトーンは選挙後、扇動を含め少なくとも3つの告訴を受けて、法的な困難に直面している。彼がタイ警察に召喚された際には、アメリカ、イギリスとカナダの代表を含む外国大使館の人員が同行した。

 欧米メディアはこれを「民主主義派」候補者に対する「国際支援」と描いているが、ざっと見るだけでも「民主主義」でなく、利己的な関心が明白なアメリカ-イギリス-カナダの外交政策が、この「支援」を支える共通因子なのだ。

 中央アジアのアフガニスタン、中東で北アフリカのリビアから、イラクとシリアまで広がる複数の違法な戦争におけるアメリカ-イギリス-カナダの役割を読者は想起すべきだ。サウジアラビアやカタールやウクライナのキエフを支配するネオ・ナチ政権のような本物の独裁制に対する、彼らによる共同の継続中の支持を。

 タナトーンと新未来党に対する欧米の支持は、だから、民主主義を守るというより、民主主義という隠れみのを使ったタイ内政への干渉以上の何ものでもない。

 チナワットやタナトーンのような代理人を通して、欧米は裁判所や軍や立憲君主政体を含めタイ独自の制度を弱体化するか、完全に排除して、反対者のいない経済「自由化」と、タイ外交政策を取り込んで、北京との結びつきを元に戻し、東南アジアのこの国を、中国に対し自費で活動する防波堤に変えるお膳立てをしようとしているのだ。

 ワシントンの負ける賭け

 タクシン・チナワットの権力の絶頂時、彼はタイで4番目に金持ちの男だった。彼の政治的、金融上の権力は実に強大だったので、十分に減少するには二度のクーデターを含め、ほぼ20年の集中的な努力が必要だった。これが最近、ようやく選挙の一般投票で、チナワットのタイ貢献党が敗北する事態に至ったのだ。

 2010年から今までの間に、チナワットは4番目の金持ちから19番目になった。タナトーンを含め、彼の代理人が、彼とのいかなるつながりも否定しなくてはならないほどに、彼の信頼性と影響力は衰えている。

 それにもかかわらず、欧米の「新」代理タナトーンはチナワットの代役だ。彼は資産上では28番目の家族出身だが、彼自身の個人的な政治的、金融的背景は汚職とスキャンダルで既に傷ついている。

 これまで以上にタイ主権を擁護するべく、組織的に準備を整えているタイ組織に挑戦しながら、欧米は、2001年のチナワットより何倍も、財政的に弱く、政治的により妥協した代理を起用しているのだ。

 タイの政治危機を、自分たちの利害関係を満たすように形成しようと「こころみる」欧米マスコミの企ては、タクシン・チナワットの権力絶頂期にもうまくゆかなかったが、最近の選挙に先行してうまくいかなかったが、2001年のチナワットより何倍も弱いチナワット代役にも、うまく機能するまい。

 タイでの欧米の敗北は、無様なベネズエラ政権転覆の取り組みから、シリアでの屈辱的敗北や、アフガニスタンで低迷している20年にわたる戦争に至るまで、地球全体に広がるアメリカ-ヨーロッパ外交政策失敗の広範なパターンの一部に過ぎない。地域的に、タイでの敗北は、アジアにおけるアメリカ優位性が、中国や他の地域大国の勃興に取って代わられる、より広範な傾向の一部だ。

 彼らの政策が逃亡者タクシン・チナワットや彼の欧米スポンサーによって海外から命令され、タイ国内ではバンコクの欧米大使館代表に守られているのに、タナトーンのような人物や、新未来党のような党が「民主主義」だという考えは、持続不可能なパラドックスだ。民主主義は、定義上、国の運命を自決するプロセスであって、外国から規定されるものではない。このパラドックスの現実が、それを永続させるのに使われる偽善者の言説に追いつくのは時間の問題に過ぎない。

 チナワットや、彼が指名したタナトーンや彼の新未来党、あるいはアジアにおけるアメリカの優位にさえ賭けている連中は、来年、あるいは次の10年で、この持続不可能な狙いに最終的に弾みがつくのか、それとも失敗を繰り返して、一層深く泥沼にはまりこむことになるのか自問すべきだ。

 Tony Cartalucciはバンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/08/west-finds-new-anti-china-puppet-in-wake-of-thai-elections/

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  失言大臣の辞任より、国谷氏を首にした人物が凱旋したことの方が気になる。大事なことは報じない大本営広報部支配の度合い、既に北朝鮮を越えたようだ。幸い見ていないが、昼の呆導番組、令和おじさんを臆面もなくヨイショ。見れば痴呆になれること確実。唯一、まともだった室井祐月、追放されたのだろう。今まで他の提灯持ち連中と違うことをいって居残れていたのが不思議だった。もはや皆、北朝鮮テレビ。

 タナトーン、全く知らないので、ネット検索し、力のこもったヨイショ報道を読んだ。タイの“イケメンセレブ” 軍政に対抗へ

 日刊IWJガイド「山本太郎参議院議員が昨日、自由党からの離党と、新党『れいわ新選組』(新撰組ではない)の結成を発表!」 2019.4.11日号~No.2401号~(2019.4.11 8時00分)

 明石順平氏の説を支持するものとしては、山本太郎氏が、記事の通りリフレ派ならば、残念。