支援体制が欠如した戦争計画、アメリカのベネズエラ支援作戦失敗

Moon of Alabama
2019年2月7日

ベネズエラでのアメリカ・クーデターの企てから一日後、アメリカの作戦計画は既に非常に明白だった。

    ベネズエラ反政府派は、おそらく兵器を購入し、傭兵軍を作る「凍結された」資金を入手して、政権とその支持者に対する「内戦」のために使うだろう。シリアでと同様、アメリカ特殊部隊、あるいは若干のCIA「請負業者」が支援するのを強く望むだろう。このような戦争のための兵站線はコロンビアを経由する可能性が最も高い。もし2011年のシリアのように地上戦が計画されているなら、おそらく国境近くの都市で始まるだろう。


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 アメリカは作戦を推進し、政権を傷つけ、兵站線を設立するのに、コロンビアからベネズエラへの「人道支援」という口実を使っている。それはクーデター計画者側に軍を引き寄せるもう一つの試みでもある。

もしトラックが入り込めれば、野党は自身を、ベネズエラの慢性的苦難として示すことができ、他方マドゥロは国境の支配力を失ったと思われるだろう。それは与党と軍からの離脱を促進しかねない。

カラカスの政治学者ディミトリス・パントウラスは反政府派への支援物資輸送計画を、いちかばちかの賭けと呼んだ。
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「これは99パーセントが軍事関係で、人道的なものは1パーセントだ」と彼は言った。「野党は、マドゥロを支持する彼らの代償を引き上げ、軍の忠誠を試しているのだ。彼らはマドゥロ支持なのか、そうでないのかを? 彼らは支援を拒絶するだろうか? もし答えがノーであれば、マドゥロに残された時間はごく僅かだ。」

 メキシコの前外務大臣、右翼のホルヘ・G・カスタニエダによる「ニューヨーク・タイムズ」論説が、あり得るエスカレーションを詳述している

グアイド氏と他の情報提供者によれば、今週、アメリカの医薬品と食糧、2000万ドルがベネズエラ領土外の、コロンビア・ククタと、ベネズエラ海岸の近くのブラジルとカリブの島、アルバあるいはキュラソーに荷卸しされる。

亡命生活をしているベネズエラ軍当局者と兵士が、これらの物資をベネズエラに搬送し、そこでもしすべてがうまく行けば、まだマドゥロ氏に忠実な陸軍が、彼らの通行を止めたり発砲したりない。もし彼らがそうすれば、ブラジルとコロンビアの政府は反マドゥロ兵士の支持をいとわないかもしれない。隣国との射撃戦という脅威が、現実の戦闘を不必要にし、ベネズエラ軍にマドゥロを見捨てさせるのに必要な誘因かもしれない

 若干の追加の挑発ない関連してない限り、このエスカレーション戦略はうまくいきそうもない。ベネズエラ政府は、コロンビアのククタとベネズエラのサンクリストバル間の国境橋を閉塞した。軍は国境のいかなる侵害も止める準備ができている状態にある。

 アメリカは、道路閉鎖に、殊勝ぶったツイートで応えた。

ポンペオ長官@SecPompeo - utc16時55分 - 2019年2月6

ベネズエラ国民は絶望的に人道支援を必要としている。アメリカや他の国々が助けようとしているが、マドゥロの命令下#ベネズエラ軍がトラックや輸送船阻止している。マドゥロ政権は支援を餓死しそうな国民に届けさせねばならない。# EstamosUnidosVE

 アメリカ政府は降伏させるため、イエメン国民を積極的に飢えさせておいて、これまで誰も飢餓では死んでいないベネズエラについて心配しているのだろうか? この女性は信じるまい。

 ベネズエラ軍は忠誠を変える興味の兆しを示していない。エセ支援は拒絶されるだろう。

 ベネズエラ政府は政治的干渉なしの支援は拒絶しない。去年、アメリカ制裁のために主としてベネズエラが断ち切られていた医療用品のささやかな国連支援物資を受けとった。国連はベネズエラ人のおよそ12パーセントが栄養不良だと主張した。このような主張は何年も聞かされているが、ベネズエラからの報告(ビデオ)は特定製品の若干の不足しか確認していない。ベネズエラには、即刻介入が必要な飢饉はない。

 極めて政治的だということで、国際赤十字、カトリック教会の支援組織、国際カリタスと国連は、現在計画された「支援」送付の支援というアメリカ要請を拒絶した。

「人道支援は、政治的、軍事的、あるいは他の目的から独立している必要がある」、とステファン・ドゥジャリク国連報道官は、水曜、ニューヨークで記者団に語った。
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「重要なのは人道支援が政治色が薄く、人々の必要から、いつ、どのように人道支援が使われるかの条件が明らかであるべきだ」とドゥジャリク国連報道官が付け加えた。

 政治的理由から支援を拒絶するのは異常ではない。ハリケーン・カトリーナが2005年にアメリカ湾岸沿いに莫大な損害を起こした際、多くの国が人道的、技術的支援を提供した。アメリカ大統領ブッシュはいくつかの国々からの支援を受け入れたが、他の国々からの支援を拒絶した。

人権活動家ジェシー・ジャクソンによれば、2つの移動病院ユニット、120人の救出・応急手当専門家と50トンの食糧を含む、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領からの支援の申し出が拒絶された。

ジャクソン氏は彼が最近会ったベネズエラ大統領からの申し出は、浄水プラント10基、発電装置18基と、20トンのボトル入り飲料水を含んでいたと語った。

 ベネズエラ内に「人道支援」補給線を設立するアメリカの意志には第二の狙いがある。このような支援は武器供給の理想的隠れ蓑だ。1980年代、ニカラグア向けに指定された「人道支援」便は武器を満載していた。そうした便の命令は、現在トランプのベネズエラ特使であるエリオット・エイブラムスが与えれものだ。

 コロンビアからのトラックが国境で阻止されているが、アメリカからの他の「人道的援助」がベネズエラに届いている

ベネズエラ当局は、隠蔽した高性能ライフルと弾薬を、ニコラス・マドゥロ大統領反対派の手に入るよう、商用貨物専用機で、マイアミから送ったとアメリカを非難した。

バレンシアのアルトゥーロ・ミチェレーナ国際空港に飛行機が到着した二日後、国家税関徴税統合庁[SENIAT]とベネズエラ国家警備軍[GNB]メンバーが衝撃的発見をした。

検査官が、日曜午後に到着したフライトを調査しているうちに、19丁のライフル銃、118の弾倉と90台の無線機を発見した。月曜日の手入れで、同じく4つのライフル銃架、ライフル銃照準3個と6台のiPhoneを捕らえた。

 写真は歩兵隊に十分な装備を示している。15丁のAR -15ライフル(5.56mm銃)、ドラム弾倉つき分隊支援火器(7.62mm銃)1丁と、7.62mmコルト狙撃銃とアクセサリーだ。銃弾は見つかっていない。

 そのような兵器輸送が一件発見されたのであれば、複数のものが、うまく持ち込めた可能性がありそうだ。だが、対政府戦争を行うには、純粋な兵器供給は十分ではない。アメリカは重く、かさばる弾薬のため、絶え間ない補給線を設立しなければなるまい。そこで「人道支援」車列の登場だ。

 ベネズエラ軍の大部分が立場を変えない限り、ベネズエラ政府を無理矢理打倒するいかなる試みも、おそらく失敗する定めだ。アメリカは全ての軍事力を、ベネズエラ軍を破壊するために使うことは可能だ。だが、アメリカ上院は、ベネズエラにおける、アメリカ軍使用の可能性について既に論争している。民主党員はそれを強く拒絶している。

問題に取り組んでいる補佐役や上院議員によれば、ベネズエラ反政府勢力指導者フアン・グアイドを支持する上院決議が、満場一致の支持を受けることが予想されていたが、武力行使についての意見の相違により駄目になった。
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「私は、上院が、グアイド暫定大統領を支持し、人道支援を支持し、ベネズエラでの民主主義支持を表明することが重要だと思う。だが私は同様に、支持が、いかなる形の軍事介入にまでは至らないことは実際非常に明確であるべきだ」と思うと[ニュージャージー州選出・民主党のボブ・メネンデス上院議員]がNBCニュースに述べた。

 トランプが超党派的の支持なしで、軍事介入を命令することはありそうもない。

 ベネズエラ内に金目当ての「ゲリラ」勢力を密かに送り込むのは確かに可能だ。小規模な補給線を秘密の手段で設立することは可能だ。だが、対シリア戦争が示すように、このような計画は、国民が反政府勢力を歓迎しないかぎり成功し得ない。

 現政府下で、大半のベネズエラ国民は、チャベス政府下でより生活は楽だ。この講義や、このスレッドは、ベネズエラ経済史とチャベスとマドゥロの下で成し遂げられた壮大な進歩を説明している。経済状態が一層難しくなるだろう時でさえ、国民はそれを忘れるまい。彼らは今大統領を自称する馬の骨グアイドの背後で誰が糸を引いているかを知っている。彼らは、こうした金持ち連中が、彼らの苦境を改良することなどありそうにないのを知っている。

 ベネズエラに関して、アメリカ政治家は、イラクとシリアでの政権転覆戦争と同じ間違いをしている。連中は、全ての人々が、彼ら同様に、腐敗し、虚無的だと思っている。彼らは、他の人々が、自身のためや、その生活様式のためには戦はないと信じている。彼らは、再び、間違っていることを証明されるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/02/venezuela-us-aid-gambit-fails-war-plans-lack-support.html

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 国会中継で見る、御用学者の鏡、樋口特別委委員長の答弁拒否連発は立派。第三者どころか、政府・与党と完全一体化。

 連中は、全ての人々が、彼ら同様に、腐敗し、虚無的だと思っている。彼らは、他の人々が、自身のためや、その生活様式のためには戦はないと信じている。世界最大の属国を牛耳る彼らは、永遠に間違っていることを証明されないのだろう。

 植草一秀の『知られざる真実』2019年2月9日記事にある2月8日の催し、参加しそこねた。
命の源=水・種子・食の安全が脅かされている