1970年 アメリカの利益のために日本国民を騙してきたエリート官僚

天皇という力の正体とは?(15)~アメリカの利益のために日本国民を騙してきたエリート官僚~

引き続き、『天皇財閥 皇室による経済支配の構造』から抜粋→転載します。

池田勇人 岸信介 中曽根

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◆現代日本の支配階級

戦前の支配階級であった皇族たちは、現在においても一定の勢力を持っていると考えられる。

日本の支配階級の研究家である佐藤朝泰は、『日本のロイヤルファミリー』という本のなかで、現代の名家名族の条件として、天皇家はどれだけ近い位置にある家系なのかが、いまだに不変の尺度であると述べている。

 名門・名家の条件は、単に資産家であるということではなく、さらに、政治権力を保有している、ということでもない。やはり、連綿と続いた血脈のリレーを保持してきた家系であると同時に、皇室との繋がり、いいかえれば、天皇家との距離が近い家系、ということにいきつく。(『日本のロイヤルファミリー』14ページ)

佐藤氏によれば、戦前の日本には、天皇を中心にした身分制度である華族制度や宮中席次、そして一握りの財閥家族を核とする、確固とした「支配階級」が存在した。戦後になってそうした社会序列が崩壊したが、旧華族を中心とする「閨閥」(けいばつ)は今でも重要であるという。

 

支配階級とは、「富(財力)、権力(政治権力)、名誉」の三つを有する人たちのことである。

富を有するのは、かつては三菱の岩崎家や三井家といった財閥家族であったが、戦後の財閥解体により離散した。現在は、旧財閥企業の番頭を務めていた経営者の一族や、戦後生まれた産業資本の支配者達が「財界人」として財力を有している。そして政治権力を有しているのは、かつて元老や重臣として宮中に支配力を持っていた政治家たちや軍人に代わって、現在では高級官僚、及び官僚上がりの政治家たちである。

 

この、新しい財界人と政治権力者たちが、名誉を求めて旧華族との姻戚関係を結び、閨閥を作った。これが佐藤氏のいう、現在の日本の支配階級、すなわち「ニュー・エスタブリッシュメント」である。 

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◆エリート官僚が政治権力者に

佐藤氏の指摘のなかでも、戦後の政治権力が官僚によって簒奪されていることが重要である。戦後になって、アメリカ占領軍は日本の軍隊及び財閥を解体させ、華族制度を廃止させた。しかし、官僚機構はほぼそのままのかたちで残した。その結果、戦前の政治権力者たちがいなくなり、権力が真空状態になった。そこでエリート官僚たちが政治権力者として登場したのである。佐藤氏は著書のなかで、次のように述べている。

特筆すべきこととして、戦後における政治権力の支配者は、かつての政党人、高級軍人たちに代わって、高級官僚が異常とも思われるほど進出していることを見逃すわけには行かない。

(中略)

戦後GHQにより、戦前の大物政治家、財界人などの指導者が軒並み“公職追放”にあい、人材払底、組織壊滅のなかで、追放を免れたエリート官僚が官僚機構を肥大化させながら、政治権力の中枢に進出、権力の事実上の“乗っ取り”を図るのはたやすいことであった。(『日本のロイヤルファミリー』18ページ)

 

戦後の日本の政治は、彼ら官僚たちによって担われてきた。

 

吉田茂は外務官僚上がりであり、岸信介は商工官僚、佐藤栄作は運輸官僚、中曽根康弘は内務官僚、池田勇人と福田赳夫、大平正芳、宮沢喜一は大蔵官僚と、戦後の主だった首相は官僚上がりが多いのである。

 

彼らのほとんどが戦前期にすでに少壮官僚として活躍しており、戦前期の官僚主導の経済システムである戦時統制経済体制に関わっていた。この官僚主導体制がそのまま戦後に引き継がれて、「日本株式会社」となったのである。

この官僚体制は、いまなお続いている。

 

◆顔のない不気味な企業体「日本株式会社」

「日本株式会社」とは、1970年代に急成長する日本経済に危機感を持ったアメリカが、日本の特殊な経済活動を包括的に捉えるために編み出した概念枠組みである。アメリカ商務省を中心として日本を分析した報告書である『株式会社日本』(原題「JAPAN;The Government-Business Relationship〔日本―政府産業界の関係〕」)によって知られるようになった。

 

日本株式会社を提唱する論者のなかには、『通産省と日本の奇跡』を著した日本学者チャルマーズ・ジョンソンのように、通産省が主軸となって日本の経済政策を操作していると見る論者もいる。しかし、いずれも日本政府と産業界(財界)は個別に動くのではなく、何らかの共同歩調を取っているとみなす点では共通している。

米商務省『日本株式会社』では、次のように述べている。

「日本株式会社」という概念を導入するのにあずかってきた人たちは、日本経済が構造的には“企業の本社”よりずっとゆるいとみられるコングロマリット(複合企業)に近いとしている。コングロマリットは実は日本の発明したものである。1930年代と40年代の財閥の持株会社は、事実上のコングロマリットといえたからだ。(『日本株式会社』29ページ)

なんと、コングロマリット(異業種企業が集合した巨大な複合企業)の起源は日本の財閥だというのである。そして、この米商務省による記述は、日本経済が一つの企業体であるとみなすとともに、それが財閥であると述べているのだ。日本が一つの財閥であるということ、それは本書の枠組みにおける天皇財閥以外ではありえない。

 

「日本株式会社」が「天皇財閥」の戦後の姿であることは前述した。天皇財閥は戦前、天皇を中心とする企業体であったが、戦後になって天皇という中心が消失した。その代わりに「日本株式会社」という「法人」が、実体のない空虚な中心となっており、諸外国、特にアメリカから、顔のない不気味な集団だと認識されてきたのである。

 

◆アメリカに仕える天皇グループの経営者たち

 

高級官僚を中心とする日本の支配階級が、現在の天皇財閥=天皇グループの経営者たちである。米商務省『日本株式会社』でも、次のように認識されている。

エスタブリッシュメントが日本経済の進むべき方向と設定された目標の達成方式を決定しいる。エスタブリッシュメント内部でも各種勢力の立場はこうした問題をめぐって初めのうち大いに異なるかもしれないが、それぞれの見解は通常、日本ではあまりに行きわたっている合意志向的なアプローチによって調整される。コンセンサスを促進するものは政界指導者、官僚、ビジネスマンを結びつけるきずなの強さである。これら三グループのどのメンバーも同じよう経歴の持ち主であり、一部は縁戚関係さえもっている。(『日本株式会社』44ページ)

問題なのは、彼ら支配階級が、一様にアメリカの大きな影響下にあるという点である。日本の支配階級――佐藤朝秦氏のいう「ニュー・エスタブリッシュメント」――は、ことごとくアメリカの影響下にある。前述したように、戦前の革新官僚らか戦後の首相となった岸信介はアメリカ財界の代表である「ジャパン・ロビー」のために働き、池田勇人はアメリカ財界に信任された。また中曽根康弘は昭和20年代に、後に国務長官となるヘンリー・キッシンジャー(1923-)のもとで学んでいる。宮沢喜一は「三極委員会」という、日本とアメリカの財界団体の代表を務めた。首相経験者以外でも、戦後すぐに日銀の総裁を務めた新木栄吉や一万田尚登らもアメリカの影響が大きく、その後の日銀総裁たちも同様である。(拙著『日銀 円の王権』)。

 

戦前は天皇に仕えてきた彼ら臣下たちは、戦後になってからはアメリカを主人として、アメリカの利益のために日本国民を騙しているのである。

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