1945年11月 財閥解体によって天皇を法人とする企業グループが誕生した

天皇という力の正体とは?(11)~財閥解体によって天皇を法人とする企業グループが誕生した~

財閥解体

 

引き続き、『天皇財閥 皇室による経済支配の構造』から抜粋→転載します。

 

財閥解体によって、財閥企業各社が法人となり、その企業群による「株式持ち合い」が日本企業の主流となった。

  昭和20年11月、マッカーサー率いる連合国総司令部(GHQ)は特殊会社解体指令を発して、三井、三菱、住友、安田をはじめとする十五財閥の資産の凍結・解体を命令した。いわゆる「財閥解体」である。

(中略)

財閥家族に指定された56名は、保有株式を強制的に取り上げられ、一切の役員の地位にも就くことができなくなったのである。

(中略)

放出された財閥家族の所有株式は、一般の投資家の手に渡ったのではなく、傘下の企業が、「法人」として取得したのである。つまり、同じ財閥の下にあった企業が、仲間の株式を相互に所有するという事態が起こったのである。これを、「株式持ち合い」という。

 

株式持ち合いによって、戦前のようなピラミッド構造は崩壊した。そこでは「支配ー従属」関係はなくなり、文字通りに「持ちつ持たれつ」の関係となった。つまり、円環状の相互支配関係である。最終的な企業の所有者、つまり、オーナーがいなくなった状況が、戦後の日本企業の本質である。

 

「株式持ち合い」の企業群は、横の連携を強めると同時に、生産を担う実態のある法人としての企業への親近性が増して、会社本位の意識が形成される。

 

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旧財閥系の大企業が、互いに株式を所有しあう、株式持ち合いが戦後日本企業の主流となった。例えば三菱系の三菱銀行と東京海上、三菱重工、三菱化成、三菱商事の各社は互いに株式を所有しており、最終的な所有者はいなくなったのである。

これらのグループ企業は、株式の交換だけではなく、各会社の社長が集まる「社長会」によって、人的なつながりを持ち、銀行をグループの中核とし、総合商社を持ち、重化学工業分野を中心として多くの産業分野へと進出している。これを「企業集団」という。いわゆる「三井グループ」や「三菱グループ」といった企業群がこれに当る。

日本勧業銀行 三菱銀行本店

日本勧業銀行                  三菱銀行本店 (画像はこちらより拝借)

このように、法人を至高かつ永遠の存在とみなすことによって、日本の会社本位が成立するのである。この会社本位のもとでは、全ての従業員は資格において平等であり、役員や取締役といった身分によって区別はされるが、原則として社員はみな会社を代表することになる。その証拠に、日本の会社では「わが社は・・・」「うちでは・・・」と、すべての社員が会社を代表しているような気分になってしまう。会社も「当社の代表として恥ずかしくない行動をせよ」と従業員に代表者意識を持たせる。それを真に受けて、「自分がいないと会社が回らない」といった妙な責任感まで抱くようになるのである。

 

財閥企業グループの頂点に〈天皇家=宮内省〉が所有する企業グループの法人として天皇の存在があるという。筆者はそれを「天皇法人説」と述べている。

そしてこの支配構造が、歴史を通じて共通する日本の支配構造ではないか!?という。

 法人が自ら株式を所有して「実質的な存在」となってくるのである。

この「法人実在説」の復活の準備をしたものが、他ならぬ「天皇法人説」である。このように筆者は考える。

天皇法人説とは、筆者によるオリジナルな考え方である。天皇を、〈天皇家=宮内省〉が所有する企業グループの法人であるとする見方である。生身の人間であると同時に「現人神」である天皇を理解するには、天皇を法人とみなす他はない。これが発想の根幹にある。

(中略)

つまり、戦前の天皇主権説が、形を変えて日本企業の存在様式に現れたということである。あるいはまた、戦後の法人資本主義を準備したものが、戦前の天皇の存在様式であったということもできる。

(中略)

驚くべきことに、「実業」であるはずのビジネスの世界が、その権力の中枢においては、実体のない法人が支配していた。そしてそれは、戦前の、「天皇財閥」が支配していたときと同じ構造であったのだ。それは、天皇法人説という立場で考察すれば明らかである。

 

さらに論を進めて、日本は、歴史を通じてこの構造をとり続けているのではないか。すなわち、日本の権力構造に於いては、本当の中心は空虚であり、実体のないものである。その周りを、責任を持たない「実力者」達が動かしてきた、という構造である。本書では近代以降の、明治から現代までしか射程に入っていないが、江戸時代以前も、この構造が当てはまる可能性があるのだ。

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